1998 Fiscal Year Annual Research Report
トマトのウイルス抵抗性遺伝子の単離技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
08456003
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本吉 總男 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (90230052)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 豊 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60224193)
|
Keywords | ウイルス / 抵抗性遺伝子 / トマト / RAPDマーカー / SCARマーカー / ディファレンシャルディスプレイ |
Research Abstract |
ディファレンシャル ディスプレイによる抵抗性遺伝子の検索を試みた。トマトモザイクウイルス(ToMV)抵抗性を有しないトマト系統GCR26と抵抗性遺伝子Tm-1を有する準同質系統GCR237、およびGCR26と抵抗性遺伝子Tm-2を有する準同質系統GCR236との間で、mRDAプールから特定のプライマーによって逆転写されたcDNAのディファレンシャルディスプレイを行った。方法としては、3種類のアンカープライマーと50種類のランダムブライマーとの150種類の組み合わせを用い、葉の全RNAを逆転写し、それぞれトマト2系統の間のcDNAのゲル電気泳動バンドパターンを比較した。その結果、GCR26とGCR237の間では、バンドパターンの違いはほとんど検出されなかったが、GCR26とGCR236の間では、再現性のある10種類のバンドに違いが見出され、うち9種類はGCR236特異的、1種類はGCR26特異的であった。これらのcDNAをブローブとして用い、両系統のゲノムDNAの中に多型が生じるかどうかを調べたところ、GCR236に特異的な2種類のcDNAプローブによって多型が生じた。プローブに使ったそれらのcDNAの一方は、キシログルカンエンドトランスグリコシラーゼ遺伝子に、もう一方はプロテインキナーゼの一つに塩基配列上類似性があった。これらのcDNAが抵抗性遺伝子に関係があるか否かは今後の検討課題である。なお、ディファレンシャル ディスプレイで見出され、ゲノムDNAにおいて多型が示されなかったものについても、以後の調査を進めて行く必要がある。
|