1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08456004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 光 九州大学, 農学部, 教授 (70128031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊丸 敏博 九州大学, 農学部, 助教授 (00284555)
吉村 淳 九州大学, 農学部, 教授 (00182816)
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Keywords | イネ / 胚乳でんぷん / アミロペクチン / 突然変異体 / 枝つくり酵素 / SDS-PAGE / 遺伝分析 / MNU授精卵処理 |
Research Abstract |
・SDS-PAGE法による変異体の探索:完熟種子に比べ、登熟種子でより鮮明な電気泳動像が得られたが、電気泳動パターンに大きな差異は認められなかった。また、デンプン変異体の登熟種子の0.5M NaCl溶出画分は、通常のSDS-PAGE分析とほぼ同一のバンドパターン示したことから、デンプン生合成関連酵素の大部分は塩可溶性であることが明らかとなった。しかし、60及び105kDタンパク質はSDSを加えた場合のみ抽出され、この両者は膜結合型であると考えられた。 ・ヨウ素定色法による変異体の探索:sug-1変異体では高B.V.480、ae変異体では正常λmax・高B.V.620など、各々の変異体間で吸光特性に特異性が認められた。加えて、既知の変異体と異なるヨウ素呈色パターンを示すものを得た。これらは新しい変異体の可能性があり、遺伝解析とデンプンの構造解析を進めている。 ・鎖長構造と糊化特性:ae変異体(EM10)は枝作り酵素BEIIaを欠き、短鎖/長鎖比が小さいアミロペクチン構造を有していた。「金南風」デンプンは4M尿素溶液で糊化するが、ae及びアミロースを欠くaewx両デンプン共に7.5Mで糊化が認められたことから、糊化の難易性はアミロペクチンの構造変化に起因すると考えられた。一方、同座の変異体EM72、129、189のデンプンは6.5Mで糊化した。全ae変異体でアミロペクチンのグルコース重合度(DP)17以下の短鎖(A鎖とB1鎖の一部)が著しく減少したが、難糊化系統ほど短鎖が少ない傾向を示した。また、供試したae全系統で著しいBEIIa活性の低下が認められ、ae変異体はBEIIa遺伝子の変異体であることが確認できた。しかし、6.5M糊化ae系統は、7.5M糊化ae系統よりBEIIa活性が高かった。これらのことから、アミロペクチン構造変化はデンプンの糊化特性に大きく影響し、短鎖の減少はデンプンの難溶性を生ずること、また、BEIIaは主にアミロペクチンのA鎖の合成に関与すると推察される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Satoh H.,L.Q.Qu,T.Kumamaru and M.Ogawa: "Gluterin mutants indeced by MNU treatment in rice" Rice Genet.Newsl.14(in press). (1998)
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[Publications] Qu L.Q.,Satoh H.,T.Kumamaru and M.Ogawa: "Genetic analyses of gluterin mutants in rice" Rice Genet.Newsl.14(in press). (1998)
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[Publications] 佐藤 光: "イネの成分育種における突然変異の利用" 放射線と産業. 73. 9-14 (1997)
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[Publications] Nakamura,Y.,A.kubo,T.Shimamura,T.Matsuda,K.Harada and H.Satoh.: "Correlation between avtivities of starch debranching enzyme and α-polyglucan structure in endosperms of sugary-1 mutants in rice." Plant J.12. 143-153 (1997)
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[Publications] Kumamaru,T.,H.Sato and H.Satoh.: "High-lysine mutants of rice,Oryza sativa L." Plant Breed.116. 245-249 (1997)
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[Publications] Satoh H.: "NOBNKYO 農文協" Chloroplst.In“Science of the Rice Plant,Vol.III Genetics",8(336-343) (1997)