1996 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズ脂肪酸転換酵素の特性及びその品質改良への応用
Project/Area Number |
08456005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
高木 胖 佐賀大学, 農学部, 教授 (30039341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 卓治 佐賀大学, 農学部, 教授 (70136597)
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Keywords | ダイズ / 脂肪酸転換酵素 / 不飽和化酵素遺伝子 / 脂肪酸組成 / ステアリン酸 / オレイン酸 / リノレン酸 |
Research Abstract |
申請者らは、ダイズを用いて、突然変異誘発による種子貯蔵脂肪酸組成の改変についての研究を行なっており、すでに、百系統を超える突然変異体を単離してきた。本年度の研究では、これらのうちでも、脂肪酸の不飽和化過程の変異体である可能性が高い9系統(高ステアリン酸、2系統;高オレイン酸、2系統;低リノレン酸、5系統)を材料として、既に、他の植物の不飽和化酵素遺伝子との相同性を用いてダイズから単離されているステアロイルACP不飽和化酵素、ω3不飽和化酵素およびω6不飽和化酵素の各遺伝子について解析を行なった。方法は、原品種Bayおよび9系統の突然変異体の各々からDNAを抽出し、制限酵素消化した後に、PCR法によって得られた各々の酵素遺伝子をプローブとしてサザンブロッティングを行った。また、ω3およびω6不飽和化酵素はプラスチド型と小胞体型の二種類の酵素が知られているため、計5種類のプローブを用いて解析を行なった。その結果、高ステアリン酸型の突然変異体KK2でステアロイルACP不飽和化酵素遺伝子が、高オレイン酸型のM23で小胞体型のω6不飽和化酵素遺伝子が、また、低リノレン酸型のIL8で小胞体型のω3不飽和化酵素遺伝子が、各々欠失している事が明らかとなった。しかしながら、本解析法ではプローブとして用いたもの以外のアイソザイム遺伝子の欠失や転写、翻訳レベルでの変異および点突然変異などについては検出できないことから、来年度以降、更に詳細な解析を行い各々の遺伝子座に対応する遺伝子の同定を行なうと共に、高パルミチン酸型の突然変異体を用いて脂肪酸の炭素鎖の伸長酵素の遺伝子についても探索を行なって行く予定である。
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