1997 Fiscal Year Annual Research Report
持続的農業のための生物多様性と生物生産力に関する基盤的研究
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08456009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中元 朋実 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50180419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳津 広志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70177301)
秋田 重誠 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10251498)
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Keywords | 生物多様性 / 生物生産力 / 炭素収支 / シアン耐性呼吸 / 生物孔隙 / 土壌微生物 |
Research Abstract |
「作物生産力の解明」生物生産力の基礎をなす炭素収支に大きな影響を及ぼす呼吸について,とくに,シアン耐性呼吸の生物学的意義について研究した.ハス科の植物では開花時に花の温度が上昇するが,これはシアン耐性呼吸と関わっている可能性が高いことが推定されている.この点に着目し,シアン耐性呼吸という一見無駄と思えるエネルギーロスが,開花時の花托の温度上昇を通じて耐寒性など一定の生物学的意義を持つことを証明するための基礎的結果を得た. 「生物多様性の解明」土壌の生物相の多様化に寄与していると考えられる生物孔隙(biopore)について研究した.(1)まず,画像解析によって,生物孔隙の量を簡易に定量的に測定する方法の確立をはかった.関東ロームにおいては,土壌の水平断面における直径1mm以上の生物孔隙の数について,精度の高い測定が可能となった.(2)生物孔隙は,土壌下層への通路として高い率で根の生長に利用されるが,その程度は作物の種類によって異なることが明らかになった.(3)生物孔隙内の微生物相について調査したところ,孔障壁には,細菌や糸状菌などの微生物の数が土壌のマトリクス部分に比べて著しく多いことが明らかになった.次年度は,生物孔隙内の環境や生物相についてさらに研究をすすめる予定である.
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[Publications] 南定雄, 他: "シアン耐性呼吸の生態学的意義に関する研究 1.蓮の開花時の花托の発熱反応" 日本作物学会記事. 66・別2. 115-116 (1997)
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[Publications] 中元朋実: "関東ローム中の生物孔隙がトウモロコシおよびコムギの根の成長に及ぼす影響" 日本作物学会記事. 67・別1(印刷中). (1998)