1996 Fiscal Year Annual Research Report
モモ果実における渋味の発生要因及び渋味物質生成機構の解明
Project/Area Number |
08456021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保田 尚浩 岡山大学, 農学部, 教授 (70033272)
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Keywords | モモ / 果実 / 渋味 / ポリフェノール / 栽培要因 / 無機成分 |
Research Abstract |
モモ果実に於ける渋味の発生要因を明らかにするために、成熟期の白桃果実におけるフェノール含量の果樹園間での差異を調査するとともに、園によってフェノール含量に違いが生じる背景を検討した。すなわち、岡山県内4地区から13の白桃栽培園を選び、各園につき同じ樹齢のものを3樹ずつ選定し、各々の個体から収穫した4果についてフェノール含量を測定した。同時に、新梢長を調査するとともに、葉と土壌を採取し、乾燥後発光ダイオードを使って果実とともに微量要素を中心とした無機成分の分析を行った。その結果、果実のフェノール含量は、同一園内での樹体間や同一樹内での果実間による差は小さかったが、栽培園間では大きく異なり、最も多い園のフェノール含量は最も少ない園の約3倍であった。しかし、果実におけるこのようなフェノール含量の園地間差異と生産地、樹齢、傾斜地であるか水田跡地であるかといった園地の形態、収穫日、果実重、新梢長からみた樹勢の強弱などとの間には明確な関係が認められなかった。果実の糖含量の園地間差は小さかった。土壌のpHと果実のフェノール含量との間には関係がみられなかったが、ECと窒素含量はフェノール含量の多い園で僅かに高い傾向であった。フェノールの代謝に関与するとされている無機成分のうち、葉と果実中の窒素(N)とマンガン(Mn)についてはフェノール含量との間に明確な関係が認められなかったが、ホウ素(B)と銅(Cu)については果実のフェノール含量が多い園で僅かに少ない傾向であった。
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