1997 Fiscal Year Annual Research Report
非宿主抵抗性発現に関与する細胞骨格の制御に関する分子細胞生物学的研究
Project/Area Number |
08456025
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Research Institution | MIE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
久能 均 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20024573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 一成 三重大学, 生物資源学部, 講師 (90205451)
高松 進 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20260599)
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Keywords | 細胞骨格 / アクチン / 非宿主抵抗性 / 高等植物 |
Research Abstract |
前年度の結果、オオムギのアクチン繊維が非宿主抵抗性発現に重要な役割を果たしていることが明らかになった。そこで、この抵抗性機構が他の植物種にも普遍的に認められるか否かを調べるため、コムギ、タバコ等数種の植物に非病原菌のErysiphe pisi(エンドウうどんこ病菌)あるいはColletotrichum lagenarium(ウリ類炭疽病菌)を接種し、アクチン繊維の動的変化の有無を調べた。この結果、用いた全ての植物にアクチン繊維の配向変化とサイトカラシンによる抵抗性の打破が認められた。この結果から、アクチン繊維は多くの植物種の非宿主抵抗性発現に普遍的に関与していると考えられた。このような配向変化による極形成が抵抗性発現に重要であると考え、その制御機構を明らかにする目的でオオムギ葉cDNAライブラリーより主要な3つのアクチンアイソフォーム遺伝子、Act1〜3をクロー二ングした。E.pisiオオムギ葉に接触後、各遺伝子の発現量を経時的に調べたところ、Act3は感染特異的に発現量が増大した。Act3は健全植物体では幼根で特異的に発現していたことから、極形成に関与するアイソフォームであると思われた。今後、Act3をオオムギ葉細胞で大量発現させることにより、非宿主抵抗性を増強できる可能性がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kobayashi,Y.et al.: "Actin Microfilaments are required for the expression of nonhost resistance in higher plants." Plant and Cell Physiology. 38. 725-733 (1997)
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[Publications] Kobayashi,I.et al.: "Inhibition of rust-induced hypersensitive response in flax cells by the microtubule inhibitor oryzalin." Australian Journal of Plant Physiology. 24. 733-740 (1997)
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[Publications] Arakawa,M.et al.: "Induced accessibilty and enhaced inaccessibility at the cellular level in barley coleoptiles.XV.Interference of AOA and AOPP with the establishement of accessibility" Physiological and Molecular Plant Pathology. (In press). (1997)