• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1996 Fiscal Year Annual Research Report

作物生産における下層土の役割-下層土のエダホロジーに関する研究

Research Project

Project/Area Number 08456039
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

三枝 正彦  東北大学, 農学部・付属農場, 教授 (10005655)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊東 豊彰  東北大学, 農学部・付属農場, 助教授 (10176349)
Keywords下層土 / 黒ボク土 / コロイド組成 / 可給態差分量 / 施肥窒素吸収の場 / 溶脱窒素吸収の場
Research Abstract

本年度の研究により、我が国の黒ボク畑における下層土の作物生産における役割に関して、以下のような研究成果を得た。
1.我が国の黒ボク土における下層土の層分供給能の評価
全国の都道府県の「環境基礎調査定点土壌」より黒ボク土(385土壌)を抽出し、有効土層60cmにおける下層45cmの養分量の割合から下層土の養分供給能を評価した。4つのコロイド組成の異なる黒ボク土(アロフェンの有無と腐植の多少で区分)の平均値は、全窒素含量:69-72%、可給態リン酸含量:38-60%、可給態カリ含量:68-71%であった。また、可給態微量要素含量(Cu、Zn、Mn、Co)における下層土の養分量割合は、酸性・中性岩質由来土壌で40-72%、塩基性岩質由来土壌で50-75%であった。
2.コロイド組成の異なる4つの黒ボク畑・精密圃場における作物生育と下層土の役割の評価
遮根シートで下層土への根伸長を制限した作土区(厚さ15cm)と作土+下層土区(厚さ60cm)におけるエンバクの生育・収量および窒素吸収量を比較した。施肥は全量基肥(N10kg/10a)とした。作土区に対して、下層土区の乾物収量および窒素吸収量は非アロフェン質黒ボク土で1.1〜1.4倍および1.1〜2.0倍であり、アロフェン質黒ボク土では2.4〜2.7倍および3.3〜3.8倍であった。全窒素吸収量における下層土での吸収(両区の窒素吸収量の差)割合および施肥窒素吸収量における下層土での吸収割合は、非アロフェン質黒ボク土では16〜49%および24〜61%であり、アロンフェン質黒ボク土では70〜73%および80〜81%であった。特に、酸性および物理性において下層土に根が伸長しやすいアロフェン質黒ボク土においては、下層土は作土から溶脱した施肥および土壌窒素の吸収の場として非常に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
以上の本年度の結果より、黒ボク畑の下層土は養分供給および溶脱養分の吸収の場として重要な役割を担っており、その生産力に対する貢献は土壌のコロイド組成のよって影響されることが明らかとなった。

URL: 

Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi