1998 Fiscal Year Annual Research Report
有用土壌微生物の二重共生による根粒着生植物の生育増進とその機構解析に関する研究
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08456040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 重方 名古屋大学, 農学部, 教授 (20023450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江沢 辰広 名古屋大学, 農学部, 助手 (40273213)
田代 亨 三重大学, 生物資源学部, 教授 (00109315)
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Keywords | マメ科植物 / 根粒着生 / 窒素固定 / 根粒菌 / モミガラくん炭 / ダイズ / 窒素 / リン |
Research Abstract |
本年度は土壌微生物の住み家としての機能を有するとされるくん炭の施用によってダイズの二菌共生がどの程度改善されるかを調査した。 1.モミガラくん炭の施用はダイズの根粒着生や窒素固定能を高め、植物生育に対する増進効果を高めること、および、その生育増進効果は施用水準の低い処理区ほど高く発現することを明らかにできた。 2.上記のようなモミガラくん炭施用による生育増進効果は根粒非着生ダイズでは認められなかった。 3.ダイズの生育に対するモミガラくん炭の施用効果は、くん炭施用量の増加によって高まり、最大の生育増進が2t/10a相当量の施用で得られた。 4.菌根菌の感染率は根粒非着生ダイズに比べて根粒着生ダイズにおいてやや高い値を示すが、くん炭施用による感染率の上昇は認められなかった。 5.これらの結果から、モミガラくん炭施用によるダイズの生育促進効果は。菌根菌感染によるリン栄養の改善よりも着生根粒による窒素固定を介して発現することを明らかにできた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 吉田重方: "マメ科根粒菌によるビタミンB_<12>活性物質の生成と根粒着生植物体中のビタミンB_<12>活性物質の存在" 日本土壌肥料学雑誌. 69・5. 435-444 (1998)
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[Publications] 吉田重方: "ビタミンB_<12>エンリッチ野菜の生産についての一考察" 農業および園芸. 73・8. 903-909 (1998)
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[Publications] 角谷弘雅: "食品工業団地から排出される未利用資源の有効利用に関する研究 排水コンポスト場における作物の生育収量と品質" 日本土壌肥料学会中部支部例会講演要旨集. 78. 18-19 (1998)
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[Publications] 鬼頭 誠: "エダマメの生育に及ぼす植物茎葉残渣マルチの影響" 日本土壌肥料学雑誌. 67・1. 40-48 (1998)
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[Publications] 吉田重方: "マメ科緑肥の分解消失特性とその施用土壌の微生物活性の解析" 微生物応用技術研究所研究報告集. 2. 69-84 (1998)
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[Publications] 大橋祥範: "ダイズに対するモミガラくん炭の施用効果の解析" 日本土壌肥料学会講演要旨集. 44. 185 (1998)