1996 Fiscal Year Annual Research Report
樹木に含まれる抗腫瘍性物質に関する生物有機化学的研究
Project/Area Number |
08456056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
折谷 隆之 東北大学, 農学部, 教授 (20005630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 陽光 東北大学, 農学部, 助教授 (70005651)
杉山 長美 東北大学, 農学部, 助教授 (10125586)
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Keywords | イチイ / タキソ-ル / アキサンジテルペノイド / バンレイシ科アセトゲニン / 2'-ヒドロキシタキシン / タキシニンンエポキシド |
Research Abstract |
1.イチイ科樹木のタキサンテルペノイド類の単離、構造変換と生物活性 日本各地に生育する高木性のイチイと低木性のキャラボクに含まれるタキサンテルペイノド類を分析、単離し、抗ガン性物質のタキソ-ルの含量を調べた。その結果、宮城県産キャラボクの樹皮、針葉から西洋イチイを凌ぐ高い含量のタキソ-ルが見いだされた。さらに、新規物質としてタキサンアルカロイドの2'-ヒドロキシタキシンとタキシニンエポキシドを単離、構造解明すると共に、生物活性を調べた。また、日本産イチイ針葉に主要なタキサンテルペノイドとして含まれるタキシニンの効率的な分離方法を確立し、その化学構造の変換法について検討した。 2.バンレイシ科アセトゲニン類の生合成前駆体の合成 エポキシアセトゲニン類はテトラヒドロフランアセトゲニン類の生合成前駆体として考えられている化合物である。エポキシドの絶対配置の決定と生合成経路の解明を目的として合成研究を行った。Epoxyrollin Aはバンレイシ科樹木Rollinia uleiから単離された物質であり、提出された化学構造の物質を10工程の反応で合成した。合成物は天然物の^1H-NMR、IRスペクトルと一致したが、^<13>C-NMR,MSスペクトルとは一致せず、提唱された構造に誤りがあることを明らかにした。さらに、Annona muricataから単離されたdiepomuricaninを(-)-muraicatacinから15工程の反応で合成した。
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[Publications] H. Konno, T. Oritani etal.: "Synthesis of squamostanal-A" Biosci. Biotech. Biochem.60・3. 526-527 (1996)
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[Publications] H. Konno, T. Oritani etal.: "Synthesis of two possible diastereomers of the epoxylactone" Tetrahedron. 52・28. 9399-9408 (1996)
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[Publications] H. Konno, T. Oritani etal.: "Total Synthesis of (15S, 16R, 19S, 20R, 34S,)-diepomuricanin" Tetrahedron Letters. 37・30. 5393-5396 (1996)
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[Publications] 真壁,田中,折谷 等: "バンレイシ科アセトゲニン類の合成研究" 第38回天然有機化合物討論会講演要旨集. 265-270 (1996)
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[Publications] 折谷,杉山,山田 等: "日本産矮性″キャラボク″に含まれるタキサンテルペノイド類" 第38回天然有機化合物討論会講演要旨集. 325-329 (1996)