1996 Fiscal Year Annual Research Report
銀杏における受精過程の生理化学的・生物有機化学的研究
Project/Area Number |
08456058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
室伏 旭 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 福壽 鳥取大学, 農学部, 教授 (60112322)
中嶋 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00012013)
山口 五十磨 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00012013)
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Keywords | 銀杏 / 花粉 / 精子分化 / 植物ホルモン / サイトカイニン |
Research Abstract |
銀杏の花粉、雌花、雄花、雌木、雄木の花の着いた枝を経時的に採取し、内生ホルモンの分析を行った。ジベレリンについては、内生量が少なくイムノアッセイによっても明瞭な検出を行うことは出来なかった。インドール酢酸は全ての組織から検出された。現在、各組織における内生量について定量を行っている。サイトカインイニンは、イムノアッセイによりイソペンテニールアデノシンが主要サイトカイニンとして検出された。その内生量は、雌木では雌花の方が枝葉より約10倍高いのに対し、雄木では枝葉の方が雄花より高いという結果が得られ、雌雄により明確な局在性の差異が認められた。t-ゼアチン、t-リボシルゼアチンについてはイムノアッセイによっても明瞭な検出は困難で、その含量は非常に低いと考えられる。花粉における精子分化制御物質の検索を行うためのアッセイ系の確立を目指して、花粉の無菌培養の条件について検討した。0.5%次亜塩素酸ナトリウムで5分間の殺菌を行い、MS液体倍地を入れた24穴プレートで培養することにより、花粉管の伸長を確認出来た。しかし、一部には殺菌が不完全で微生物の繁殖が認められたことから殺菌条件の検討を行ったが、1%以上の次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌では、花粉が死滅して花粉管の伸長を確認できなかった。精子分化制御物質の検索を行うには、長期間の無菌培養が必要なため、十分な無菌的培養条件の確立が必要である。次年度は、開裂前の葯を採取し、これを殺菌して花粉を無菌的に取り出し、長期間の無菌培養に適した花粉を採取する。
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