1997 Fiscal Year Annual Research Report
コムギおよびトウモロコシ幼植物におけるベンゾキサジノン類の非誘導発現機構
Project/Area Number |
08456059
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩村 俶 京都大学, 農学研究科, 教授 (30026570)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 亨 京都大学, 農学研究科, 助手 (80281103)
平井 伸博 京都大学, 農学研究科, 助手 (00165151)
|
Keywords | コムギ / トウモロコシ / 生体防御 / ベンゾキサジノン / グルコシダーゼ / 抗菌物質 |
Research Abstract |
コムギおよびトウモロコシの自己防御物質として知られるベンゾキサジノンは、成体植物ではグルコシドとして存在し、感染あるいは昆虫による咬害による細胞破壊によりグルコシダーゼと接触、加水分解されて発現する。本研究においては、通常遊離の状態では存在しないと考えられているベンゾキサジノンが幼時期(従属栄養期)には発現していることを見いだし、それが感染、咬害の有無にかかわらずプログラムされたものとして発現していることを見いだした。 平成9年度では、このプログラム発現のメカニズムを明らかにすべく、発現最終段階に働くグルコシダーゼおよびその前段階に関与するグルコシルトランスフェラーゼに関して研究を行った。その結果、従属栄養期にあるコムギおよびトウモロコシ芽生え中にベンゾキサジノングルコシド加水分解活性がベンゾキサジノン絵の発現と同調的に発現していることを見いだした。各種クロマトグラフィーで精製、単離し、性状を調べた結果このグルコシダーゼはベンゾキサジノングルコシドにきわめて特異性が高いものであることが明らかになった。さらにベンゾキサジノントランスグルコシダーゼもベンゾキサジノンの発現と同調的に発現していることがわかった。これらのことより、ベンゾキサジノンの幼時期特異的発現は前駆体のグルコシドおよびそれを生合成する酵素段階からプログラムされていることが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)