1998 Fiscal Year Annual Research Report
大豆種子主要貯蔵タンパク質の品質・構造相関に関する研究
Project/Area Number |
08456067
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
内海 成 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (40111976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 伸之 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (90303908)
安達 基泰 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (60293958)
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Keywords | 大豆タンパク質 / 構造・機能相関 / 品質変換 / X線結晶構造解析 / グリシニン / コングリシニン / 微生物発現 |
Research Abstract |
大豆種子の主要貯蔵タンパク質であるグリシニンとコングリシニンの構造と品質との相関を解明することが本研究の目的であり、最終年度である今年度は、組み換え型プログリシニンA3B4、天然型グリシニン、および天然型コングリシニンのX線結晶構造解析を完成させるとともに、コングリシニン各構成サブユニットの構造・加工特性相関をさらに解析した。 1) 組み換え型プログリシニンA3B4の構造解析:グリシニンの5種の構成サブユニットはグループIとIIに分類される。グループIのプログリシニンAlaBlbの高次構造は平成8年度に決定した。もう一つのグループのプロA3B4についても組み換え型を調製し、2.9Åの分解能で高次構造を決定した。その結果、グループIとIIには分子量に差があり、1次構造の相同性が40%程であるが、基本骨格はほとんど同じであることが判明した。 2) 天然型グリシニンの構造解明:昨年度に開始した天然型グリシニンの構造解析をさらにすすめ、2.IÅの分解能で決定した。プロ型と成熟型において基本骨格に差はほとんどないことが判明した。 3) 天然型コングリシニンの構造解析:コングリシニンの構成サブユニットα、α'、βのうち、βのみから成るコングリシニンを含む大豆を入手し、単一サブユニットより成る天然型コングリシニンβを調製することによって天然型の結晶化に成功した。そして、2.7Åのレベルで高次構造を解明した。その結果、天然型は糖タンパク質であるが基本的に組み換え型と構造に差がないことが判明した。 4) コングリシニンの構造・加工特性相関:昨年度、pH7.6、μ=0.5における相関を解析したが、今年度は、pH7.6、μ=0.08;pH3.7、μ=0.5;pH3.7、μ=0.08の条件においても解析した。その結果、各サブユニットの特性は条件によって大きく異なるが、多くの特性の支配要因に条件による違いはあまりないことが判明した。
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Research Products
(1 results)