1996 Fiscal Year Annual Research Report
体脂肪の蓄積と燃焼を制御する食品の機能に関する研究
Project/Area Number |
08456069
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
杉本 悦郎 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50026522)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寄本 明 滋賀県立大学, 国際教育センター, 助教授 (30132278)
灘本 知憲 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (60149523)
|
Keywords | エネルギー代謝 / トウガラシ / ヒト / 脂肪燃焼 / 呼吸循環系 |
Research Abstract |
ヒトを対象とした、エネルギー代謝と脂肪の燃焼を制御する食餌性因子の検索を目的とし、8年度は、エネルギー代謝解析のための指標・評価系の検討を行った. 1.実験方法;健康な男子学生7名を被検者とし、エネルギー代謝亢進効果のあるトウガラシをメルクマ-ルとして、これを0g・1g・2g・5g投与し、投与2時間後における安静時のエネルギー状態を呼気ガス分析装置を用いて測定した(昨年度 摂取後1時間での検討は行った). 2.結果;トウガラシを摂取した場合、2時間後の安静時では、酸素摂取量および呼吸商がコントロール(0g)に比べ低下し、個人差はみられるものの、炭水化物燃焼割合は減少して、反対に脂肪燃焼割合は増大した.また代謝当量も低下した.ラット等の研究や昨年度の摂取1時間の結果でも、トウガラシ摂取は酸素摂取量を増大させ、エネルギー代謝を亢進したのに対し、今回のトウガラシ摂取後2時間では、むしろ少ない酸素消費となった.以上のことは今回の投与量でトウガラシのエネルギー代謝亢進は2時間までに消失するがなお脂肪燃焼の効果は続いていたと考えられる.心拍数はトウガラシ摂取量に反比例して減少し、呼吸数も減少、酸素脈でも低下と、従来から考えられているエネルギー代謝への影響だけでなく、呼吸中枢への影響も示唆された. 3.考察とまとめ;トウガラシ摂取後2時間で、エネルギー代謝が減少し、1時間経過での結果と異なり、摂取後の経過時間がエネルギー代謝を制御するものとして重要と考えられ、これについては9年度検討を行う.また、その際、体熱産生・血流量・酸素運搬能・自律神経活動等の測定を行うものとする.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] K. Kawada: "The possibility of active from of vitamins A and D as suppressors on adipocyte development via ligand-dependent transcriptioal regulators" Internat. J. Obesity. 20 (Suppl.3). S52-S57 (1996)
-
[Publications] 河田 照雄: "脂肪細胞の分化と機能特性" 実験医学. 14 (16). 2209-2214 (1996)