1997 Fiscal Year Annual Research Report
体脂肪の蓄積と燃焼を制御する食品の機能に関する研究
Project/Area Number |
08456069
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
杉本 悦郎 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50026522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 秀己 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (10159329)
寄本 明 滋賀県立大学, 国際教育センター, 助教授 (30132278)
灘本 知憲 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (60149523)
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Keywords | ヒト / トウガラシ / 運動負荷量 / 投与量 / 摂取タイミング / エネルギー代謝 |
Research Abstract |
ヒトのエネルギー代謝と脂肪の燃焼を制御する食餌性因子の検索を目的とし、安静時エネルギー代謝に引き続き、9年度は運動時におけるエネルギー代謝解析のための指標・評価系を検討した。 1.トウガラシが運動時のエネルギー代謝に及ぼす影響 (1)制御因子としての運動強度(トウガラシ5g投与) 運動強度は生理的運動指標として、個人の最大酸素摂取量を基準とした相対的割合を用いた。緩い運動(35%)と中程度の運動(50%)を40分間負荷した場合、35%負荷では、トウガラシ摂取により、エネルギー消費量が減少し、対照群で見られた糖質から脂質供給への移行はなく、糖質代謝が持続した。50%負荷では、エネルギー消費には影響を与えなかったが、運動後半に脂質の代謝が亢進した。また、VO2maxの20%-35%-50-%-65%の4段階20分負荷では、エネルギー消費は、トウガラシ群で有意に低下、脂質の代謝にはほとんど差が認められなかった。 (2)制御因子としての投与量 トウガラシ投与量を0g、1g、2g、5gとし、投与2時間後VO2max50%/30分と60%、70%、80%各3分の負荷の場合、トウガラシ群でエネルギー消費は減少し、減少の程度は1g>2g>5gであった。脂質代謝は1g投与でコントロールを上回ったが、2gと5g投与では、むしろ糖質代謝が亢進した。 (3)制御因子としての摂取タイミング トウガラシ5g投与1時間後と2時間後に50%の運動を30分間負荷した場合、1時間では、エネルギー代謝に影響を与えなかったが、2時間では、エネルギー代謝を減少させ、そのエネルギー源は脂質よりむしろ糖質であった。 2.まとめ トウガラシがヒトの運動時に与えるエネルギー代謝への影響を検討したところ、少なくとも摂取タイミング、投与量および運動強度の因子がエネルギー代謝や脂質代謝を複合的に制御することが示唆された。
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