1998 Fiscal Year Annual Research Report
体脂肪の蓄積と燃焼を制御する食品の機能に関する研究
Project/Area Number |
08456069
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF SHIGA PREFECTURE |
Principal Investigator |
杉本 悦郎 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50026522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 秀己 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (10159329)
寄本 明 滋賀県立大学, 国際教育センター, 助教授 (30132278)
灘本 知憲 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (60149523)
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Keywords | 脂肪細胞の形成 / ビタミンK5 / 脂肪細胞への脂肪蓄積 / 前駆脂肪細胞 / 脂肪細胞への分化 |
Research Abstract |
肥満は脂肪細胞の増加とそこへの脂肪の過剰蓄積によって起こる。成熟脂肪細胞の形成過程は、少なくとも前駆脂肪細胞の増殖する過程、前駆脂肪細胞が未成熟な脂肪細胞に分化する過程、未成熟な脂肪細胞に脂肪が蓄積する成熟過程に分けて考えることができる。 これまで各種の脂溶性ビタミンが脂肪細胞の形成を抑制することを明らかにし、その内のビタミンA酸(レチノイン酸)、活性型ビタミンDの作用が、核内レセプターと結合して脂肪細胞への分化に関わる遺伝子の転写を制御することにより、脂肪細胞への分化を抑制していることを明らかにしてきた。そこで、本研究では、前駆脂肪細胞のモデルとして3T3-L1細胞を用い、ビタミンKが脂肪細胞形成の過程における前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化の過程、未成熟脂肪細胞の成熟の過程にどのように作用するかについて検討を行った。 実験材料および方法 前駆脂肪細胞のモデルとしては、マウス胎児由来の3T3-L1細胞を用いた。 細胞は,2.45×105ceIl/dishとなるように90mm dishに継代し、常に37℃,5%CO2存在下で培養した。培地は、10%牛胎児血清(FBS)、50IU/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシンを含むDulbecco′s modified Eagle′s medium(DMEM)を基本培地として使用した。 『分化誘導期』『分化誘導後の成熟期』の細胞は、脂肪細胞形成の程度を示す指標としてグリセロリン酸脱水素酵素(GPDH)活性およびトリグリセリド(TG)含量を測定した。 結果 ビタミンK5は、脂肪細胞形成過程において、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化の過程を抑制し、未成熟脂肪細胞の成熟即ち未成熟脂肪細胞への脂肪の蓄積の過程は抑制しないことが明らかとなった。
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