1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08456071
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
矢島 崇 北海道大学, 農学部, 助教授 (90142702)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 収 北海道大学, 農学部, 助手 (20178966)
中村 太士 北海道大学, 農学部, 助教授 (90172436)
渋谷 正人 北海道大学, 農学部, 助手 (10226194)
高橋 邦秀 北海道大学, 農学部, 教授 (80281707)
|
Keywords | 地表攪乱 / 森林再生 / 更新立地 |
Research Abstract |
本年度は北海道駒ヶ岳のカラマツ林の林分構造および侵入過程を明らかにした。調査箇所は駒ヶ岳南側斜面の標高500〜700mと東側斜面の標高450〜700mで、それぞれ標高50m毎に調査区を設定した。0.5m以上の高木類の樹種・樹高・根元直径・着果の有無を測定した。また調査区の一部で草木類・低木類・0.5m未満の高木類を林床植生として植被率を記録し、高木類は樹種と樹高、草本類と低木類は種と被度を測定した。また南斜面調査区でカラマツ全個体と一部のドロノキの樹齢を測定した。 カラマツ林は浮石や火山岩塊の堆積地上に分布していた。最も成長のよい林分は標高500mでみられ、立木密度2111本/ha、上層高6.1m、根元の断面積合計7.8m^2/haで林分としては未発達であった。カラマツのほかにシラカンバ、ダケカンバ、ドロノキなどが定着していた。標高の増加にともない立木密度や樹高、根元直径、根元断面積合計、林床植生の植被率は減少し、さらに裸地が目立つ未発達な林分へと移行していた。しかし標高にともなうカラマツの最大樹高の変化は他の樹種ほど顕著ではなく、高標高域(標高600〜700m)でもカラマツは林分の上層から下層まで幅広く分布していた。またカラマツの侵入パタンや時期に標高差は認められず、20〜50年前の30年間は少数の個体が断続的に定着し、その後定着個体数が連続的に増加したという傾向があった。標高の増加にともなうカラマツの密度やサイズの減少は気象などの環境条件に変化によるものと考えられた。またカラマツの定着は、天然更新した個体からの種子散布と戦後造林された山麓のカラマツ人工林からの種子散布によるものが考えられた。
|