1996 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動下の樹木の乾燥・熱ストレス反応に関する研究
Project/Area Number |
08456074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 達明 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (40178322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 千春 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助手 (20272354)
高垣 美智子 千葉大学, 園芸学部, 講師 (00206715)
中山 敬一 千葉大学, 園芸学部, 教授 (90009697)
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Keywords | 干ばつ / 熱ストレス / 水ストレス / 光合成パラメータ / 樹木 |
Research Abstract |
これまでに干ばつ被害が報告されているハナミズキ、ナツツバキとそうでないコナラ、ユリノキの4樹種に人工的な高温および乾燥処理を行い、可視障害や成長反応、生理的反応を調べ、次のような結果をえた。以下の結果のほか、ストレスをもたたす葉温や樹幹温度の形成機構に関する実験を行い、熱・放射収支を解析した。 1.可視害の発生状況 ナツツバキでは高温および乾燥処理によってすみやかな葉の褐変が観察された。ハナミズキとユリノキでは、おもに高温処理によって、葉の脱水が観察された。コナラでは、いずれの処理区においても、可視害はほとんど観察されなかった。 2.光合成パラメータに対する高温・乾燥処理の影響 ナツツバキ、ハナミズキ、ユリノキでは光合成量の顕著な低下が観察された。光合成を制御するパラメータのうちわけをみると、ナツツバキではCO^2同化効率と最大光合成速度が低下し、回復しなかった。葉緑体が破壊され不可逆的過程が進行したことを示す。ハナミズキとユリノキの光合成量の低下は主として気孔の閉鎖によるもので、ストレスの緩和とともに光合成は回復した。コナラでは光合成量の低下はあまり認められなかった。 3.分光反射特性によるストレス・モニタリング ナツツバキとユリノキで分光反射特性の変化をしらべた。植物の葉では、赤色域から近赤色域にかけての分光反射率の急激な増加が見られ、その波長域をレッドエッジという。両樹種とも、処理によって、レッドエッジの短波長側への移動が見られ、光合成量の低下と相関が見られた。一方、赤色域と近赤色域の分光反射率の相対的違いからえられるNDVI値の変化は、ナツツバキで若干見られたにとどまった。
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