1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08456089
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
林 和男 愛媛大学, 農学部, 教授 (80111839)
|
Keywords | 遠心力 / メニスカス / 透過径 / 濡れ角 / 水分移動 / 壁孔閉鎖 / 通気性 / 高周波減圧乾燥 |
Research Abstract |
1.湿潤木材の接触角は心材の方が辺材より大きく濡れ性が悪かったが、熱処理をすることによって心材の接触角と同じになった。心材をアルコール・ベンゼン抽出すると両者は同じ値になり、濡れ性の差は細胞壁内腔に沈着する抽出物に起因することが判明した。 2.遠心力によるウォーターポテンシャルの低下とメニスカスによるウォーターポテンシャルの低下の釣り合いから、湿潤状態のスギとダグラスファーの透過径分布を求めることを試みた(遠心法の開発)。 3.その結果、辺材ではトールスの動きが予見され壁孔分布を求めることが困難と判断された。心材の透過径分布はスギとダグラスファーでは異なり、スギの方が大きいものの個体間でばらつきがあることがわかった。 4.湿潤状態で熱処理の一つである局所的水蒸気爆砕処理を行った材は透過径が大きくなることが遠心法によって定量的に求められた。 5.透過径に及ぼす乾燥方法の影響を調べたところ、高周波減圧乾燥法で乾燥した木材の通気性は熱気乾燥で乾燥したそれより良好で、透過径が大きいことがわかった。これは高周波減圧乾燥法における水分移動の機構から説明されうる。
|
-
[Publications] Hayashi K.,: "Statistical Analysis of Damage of Aspirated Bordered pit Pairs by local Steam Explosion." Proceedings of 5th international wood drying conference.5巻. 471-477 (1996)
-
[Publications] 朴鍾壽: "生材状態における木材中の透過径の分布-遠心法による試み-" 第47回日本木材学会大会要旨集. (発表予定). (1997)
-
[Publications] Hayashi K.: "Change of basic wood properties by heat treatment over 100°C." Annual meeting of Forest Products Society.(発表予定). (1997)
-
[Publications] 長瀬陽二: "高周波減圧乾燥における針葉樹材の収縮特性" 日本木材学会中国・四国支部第8回研究発表会要旨集. 50-51 (1996)
-
[Publications] 明神光幸: "2、3の樹種の透過径分布" 日本木材学会中国・四国支部第8回研究発表会要旨集. 44-45 (1996)