1996 Fiscal Year Annual Research Report
魚類顔面第一次味覚中枢における情報処理機構に関する神経解剖学的研究
Project/Area Number |
08456099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
清原 貞夫 鹿児島大学, 教養部, 教授 (50117496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 純三 名古屋大学, 医学部, 教授 (60022802)
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Keywords | 味覚 / 味覚神経 / 顔面葉 / 三叉神経 / 魚 |
Research Abstract |
ゴンズイ、channel catfish、ヒメジ、ホウライヒメジ、カワハギ、ベラ、コイ、キンギョで三叉神経の顔面葉への投射をDiI法を用いて調べた。その結果すべての、魚種で三叉神経線維は三叉神経脊髄下行路を経て顔面葉へ直接投射することが判明した。特に、顔面葉に体全体の鋭い体性機能地図を持つゴンズイとchannel catfishでは三叉神経線維の投射が顕著であり、胴体部を表わす部分を除いたすべての部分にその分布が見られた。このことは三叉神経も顔面神経線維と同様顔面葉に局在投射をし、体性機能地図作りに貢献していることを直接証明する。 ゴンズイの顔面葉には大型で棘をもつ樹状突起を有する細胞(L-1)、大型で滑らかな樹状突起を持つ細胞(L-2)、小型の細胞(S)が存在する。末梢の顔面線維がこのうちのどの細胞とシナプスを形成するのかを調べるために、麻酔下の魚で、上顎枝の中枢側の切断面に蛍光標識したdextranamineを与える実験を行った。現在までのところ蛍光顕微鏡で神経終末が顕著に標識されることを確認した。次に、DAB溶液中に切片を入れ蛍光を照射してphtoconversionした後、電子顕微鏡標本を作成して観察した。神経終末が標識されていることを電顕レベルで確認したが、電顕標本作成中に生ずる収縮や非特異的オスミウムの沈着が起こり、シナプスの同定を困難にしている。固定液の組成や浸透圧を変えたり、異なった神経標識物質を用いて、電顕標本作成法を改良中である。これがうまくいけば、DiI法を用いて顔面神経と三叉神経線維を選択的に標識して、異なった神経線維がどのタイプのニューロンとシナプスするか明らかにする予定である。
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