1997 Fiscal Year Annual Research Report
異なる時空間スケールを有する複合水理現象の合理的数値解析法の開発
Project/Area Number |
08456116
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 正志 東京大学, 大学院・農業生命科学研究科, 助教授 (10272436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木ノ瀬 紘一 茨城大学, 農学部, 教授 (80234326)
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Keywords | 開水路 / 植生 / 1次元流れ / パイプライン / 特性直線法 / 誤差解析 / 時間補間 |
Research Abstract |
1水撃解析で定常流、低周波非定常流、高周波非定常流(水撃)を統一的に数値解析しうる手法の開発の理論的基礎、すなわち、波動特性に適合する適切な格子を設定するために誤差特性を理論的、数値実験からさらに明らかにした。時間補間特性直線法の理論的補間誤差(数値振幅減衰)は、安定性解析から導かれるが、この理論式の詳細な検証を行った。特に、内点格子の存在しない境界のみの計算例でも、理論式の適合性が極めて良好であることを見いだした。安定性解析では、境界の影響が排除されているので、一見矛盾する結果について理論的な解明を行った。単一管路システムでの弁閉鎖問題を対象として、摩擦抵抗項のない特性差分方程式の理論解を求め、境界条件の効果を導いた。その結果、数値振幅減衰率の理論解、特性差分方程式の理論解ともに、境界での入力される波動とシステム固有振動の最低周波モードの相互作用として、統一的に解明できた。これより、誤差を補間誤差理論式と離散化誤差の半経験式で評価し、所要の精度の数値解を求める見通しを得た。 2断面内河床の一部に植生のある開水路流れにおける1次流れと断面2次流のモデル化し、高次効果をエネルギー補正係数、渦動粘性係数で評価し、断面平均化1次元流れ解析を開発する.(1)レイノルズ方程式を疑似等流の仮定の下で水深方向に積分し、この流れに適用出来る運動方程式を求めた。(2)植生群が流れに作用する抗力は、円柱に働くく抗力の表示式をもとに、植生密度を考慮した表示法を用いた。(3)横断方向の渦動粘性係数εは、乱れが平衡状態であるとの仮定の基に、定式化した。このとき、植生外領域と植生内領域に区別して与えた。(4)以上の定式化のもとで、まず、横断方向流速分布を求めるアルゴリズムを明らかにした。(5)さらに、この計算結果ら、逐次水面追跡法で水深変化を推定するときに必要なエネルギー補正係数とエネルギー勾配が求まることを示し、水深計算の方法を明らかにした。(6)以上の計算から得られる流速分布や各点の水深変化の性状は、実験から得られたそれをほば裏付けるものであった。
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