1997 Fiscal Year Annual Research Report
水稲直播栽培における最適播種密度と田面均平密度に関する研究
Project/Area Number |
08456117
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山路 永司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10143405)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 達夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (40238738)
|
Keywords | 大区画水田 / 直播 / 均平 / 播種密度 |
Research Abstract |
本研究では、直播栽培を大区画水田で行うための研究が必要であるとの観点から、生育に影響する因子として、田面均平精度に由来する発芽の不均一性と、播種密度に由来する生育競合の結果としての不均一性に着目し、これらの生育に与える影響を定量化することを目的とした。 第一の目的の詳細は、田面の細かな凹凸が種籾付近の水分量(および地下水位)を変化させている度合いを定量化することと、それと発芽率との関係を定量化することである。 また第二の目的の詳細は、それぞれの播種密度(より正確には発芽後の栽植密度)において、生育のどの段階でどの程度の競合・淘汰が発生するかを定量化することである。 初年度には、各種直播方法の普及状況を調査・整理し、発芽時の不均一性実験を行なった。 今年度は引き続き、各種条件下での発芽実験を繰り返し行なったあと、ライシメータにおいて栽培実験を行なった。その結果、疎であれば個体の生育はよいものの全体の収穫量は少なく、密であれば生育が競合することから、栽培上は密が望ましいこと、しかし経済的には適正な播種密度があることを明らかにした。また圃場条件の不均一性、とくに凹凸条件は、直播において直接発芽に影響するが、発芽不良で疎となった箇所は、ある程度の生育が見られるものの、平均的収量にまでは追いつくことができず、発芽時の不良個所は収穫期まで影響した。したがって大区画水田においては田面均平精度を15mm程度、可能であれば10mm程度まで高める必要がある。
|