1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08456123
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
荻野 芳彦 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60032992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 紹裕 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (50175105)
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Keywords | 傾斜地農業 / 流域圏ネットワーク / 農業・農村活性化 / 地域環境コード |
Research Abstract |
傾斜地農業の振興戦略に流域圏の概念を導入し、人間の経済・社会活動と生活行動圏域として流域圏を想定し、流域圏の内と外のネットワークを設定し,流域圏インターネット・イントラネットをモデルとして農業・農村整備計画の基本単位と考える。H9度は紀ノ川水系を中心に和歌山県内の傾斜樹園地の整備計画をモデルケースとして取り上げた。 1.紀ノ川は十津川紀ノ川総合開発事業で建設された大分水計画によって十津川と紀ノ川が一つの水利経済圏に統合されたように見える。しかし、十津川流域の開発がその後期待されたように進捗せず経済圏としてまとまりを持ったとは言えない。明らかに、経済活動の枠の外におかれ、衰退の速度を速める山村(十津川水系)と、農外経済活動の活性化により農業・農村の活性化がもたらされ地域(紀ノ川水系)に乖離した。 2.この2つの流域圏内の傾斜地農業の発展過程を見ると、この水利経済圏を人間行動の調査分析から、都市集中型と地方分散型の発展過程を特定することが出来た。 3.人間行動を流域圏単位で分析し、それをネットワークして構成される人間行動単位を基本的な枠組みと考え、条件不利地域の再編を考える戦略を来年度の課題としたい。 その手法の一つとして、 4.地域資源の開発と保全との調整には地域環境コードの設定が重要であり、歴史や文化財の堀り起こし、埋没している環境価値・地域アデンティティーを評価する手法の試案を作成したい。農業生産・経済活動のみならず、文化・観光面での地域資源評価手法を確立したい。
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