1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08456123
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Research Institution | COLLEGE OF AGRICULTURE,OSAKA PREFECTURE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荻野 芳彦 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60032992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中桐 貴生 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80301430)
渡辺 紹裕 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (50175105)
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Keywords | 傾斜地農業 / 流域圏ネットワーク / 農業・農村活性化 / 地域環境コード |
Research Abstract |
傾斜地農業の振興戦略を構想する際に、流域圏の概念を導入し、経済活動・行動圏域として経済流域圏を基本単位と考えた。経済流域圏は自然河川流域に加えて農業用水や都市用水の需給構造を有機的に構成する「利水需給構造をベースにした経済圏域」である。近畿経済圏の中には、淀川流域圏、十津川・紀ノ川流域圏、大和川流域圏等の大規模流域圏があり、それぞれの中に支川をベースとした小流域圏を特定することができる。研究成果は以下のようにまとめられる。 1. 紀ノ川流域における農業用水需給構造の分析から大規模流域圏の水文学的モデルの提案を行った(農業土木学会論文集第198号、平成10年)。 2. 傾斜地水田における基盤整備の方向とその利活用の活性化について大阪府能勢町の棚田を事例、府民農園の経営実態と都市住民の参加の実際を分析した(平成10年農業土木学会京都支部研究発表会講演要旨、平成9年)。 3. ため池を水源とする小流域の水源開発の歴史的展開と水利慣行の分析から現代の傾斜地農業の振興手法を分析した(第1回全国ため池サミット、基調講演)。また、阪神淡路大震災の震災調査では、農業用ため池の被災の実体と流域に及ぼす影響について分析した(水利科学第41巻第1号平成8年)。 4. 紀ノ川流域圏の伊都那珂地区を取り上げ、小流域圏を基礎とした傾斜樹園地の整備方策の検討を行い、小流域圏での段階的基盤整備方策を提案した(平成9年度21世紀農業の基盤整備の方向)。 5. 小流域圏における、大規模営農と大区画整備の方策を兵庫県豊岡市(中谷営農組合、岩佐農産)、滋賀県蒲生町(横山生産組合)、京都府福知山市(森垣受託組合)等においてケースステディし、小流域圏をベースにした受委託農業・経営委託が活発に行われることを見出し、今後の農地流動化の方向性を示した(平成8年度大規模営農調査)。
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Research Products
(1 results)