ニワトリの体蛋白合成速度とインシュリン様増殖因子Iに関する栄養生理学的研究

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08456140
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 奥村 純市 名古屋大学, 農学部, 教授 (10023425)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 喜多 一美 名古屋大学, 農学部, 助手 (20221913)
• Keywords: ニワトリ / 蛋白質合成 / インシュリン様増殖因子I / 肝臓 / 筋肉 / 絶食 / 炭水化物 / 脂肪

Research Abstract

絶食後のニワトリに飼料を再給餌すると体蛋白質合成速度が急激に上昇することが、また血漿中IGF-I濃度も栄養条件の変化に対して鋭敏に反応することが報告されている。しかしながら、栄養条件を変化させたニワトリにおいて、組織蛋白質合成速度と血中IGF-I濃度を同時に調査した報告は見当たらない。従って本研究では、栄養条件の変化のシグナルとしてIGF-Iに着目し、絶食後のニワトリに個々の栄養素を摂取させた後、組織蛋白質合成速度と血中IGF-I濃度がどの様に変化するか調査することを目的とした。
15日齢の単冠白色レグホーン種雄を2日間絶食した後、蛋白質、炭水化物、脂肪を単独で、あるいは2種類の栄養素を同時に摂取させた。飼料再給餌30分後に肝臓および筋肉の蛋白質合成速度と血中のIGF-I濃度を測定した。蛋白質合成速度は、標識フェニルアラニンの大量一回投与法により測定した。血中IGF-I濃度は、遺伝子組み替えニワトリIGF-Iをスタンダードとして用いたラジオイムノアッセイにより測定した。
絶食により低下した肝臓および筋肉の蛋白質合成速度におよぼす各種栄養素再給餌による交互作用は認められなかった。飼料再給餌にともなう蛋白質合成速度の上昇は、肝臓では蛋白質、炭水化物および脂肪の再給餌による相加的上昇により、筋肉では蛋白質および炭水化物の再給餌による上昇の相加的上昇により説明された。絶食により血中IGF-I濃度は有意に減少し、各種栄養素の再給餌30分後における血中IGF-I濃度は、絶食時と比べて変化は認められなかった。