1998 Fiscal Year Annual Research Report
性腺刺激ホルモン・プロラクチン放出に関与する神経機構のモニタリングとその制御
Project/Area Number |
08456148
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90145673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 裕司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40157871)
椛 秀人 高知医科大学, 教授 (50136371)
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Keywords | 性腺刺激ホルモン / プロラクチン / 視床下部 / エストロゲン / 多ニューロン発射活動 / シバヤギ / ラット / マウス |
Research Abstract |
本研究の目的は,性腺刺激ホルモンやプロラクチンの分泌を調節する視床下部神経機構の制御機構の解析を行うことである.そのために,まずラットにおいてはGnRHパルスジェネレーターの電気活動の記録を行い,サイトカインのGnRHパルスジェネレーターの抑制効果におけるグルココルチコイドの役割について検討した.感染ストレス時にはサイトカインにより脳内でCRHの放出が高まり,視床下部ー下垂体ー副腎系が賦活され,視床下部ー下垂体ー性腺系が抑制されると考えられている.しかし,グルココルチコイドはかえってGnRHパルスジェネレーターの興奮生を維持する作用を持つことが明らかとなった.すなわち,視床下部ー下垂体ー副腎系は視床下部ー下垂体ー性腺系をサポートする機能も持ち,ストレス環境下においても性腺機能の廃絶を阻止し,ストレスが解除された場合の生殖活動の速やかな再開を保証しているものと考えられた.ヤギにおいては,GnRHパルスジェネレーターに対する生殖フェロモンの効果を明らかにすることができた.また,マウスにおいて,一部のフェロモンはプロラクチン分泌を制御するドーパミンニューロンの興奮生を高めることにより,流産を誘起することが明らかとなった.さらにGnRHサージとの関連を示唆する活動も記録されたが,これについてはさらに今後の検討を要する. 一方,エストロジェンにより視床下部において発現の高まるクローンについて解析を進めた結果,その中の一つは上皮系の細胞成長因子であるグラニュリンであることが判明した.この遺伝子を発現する細胞を組織学的に検討した結果,視床下部腹内側核や弓状核において発現していることが明らかとなった.さらに,グラニュリンアンチセンスDNAによりエストロジェンの作用が抑制されたことから,エストロジェンの中枢作用の少なくとも一部はグラニュリンを介して発現していることが明らかとなった.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 西原 真杉: "視床下部GnRHパルスジェネレーターによる性腺機能の調節" 日本比較内分泌学会ニュース. 92. 8-13 (1999)
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[Publications] Nishihara M,他: "Electrophysiological correlates of pulsatile and surge gonadotrophin secretion" Reviews of Reproduction. (印刷中). (1999)
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[Publications] Ikeda A,他: "Obesity and insulin resistance in human growth hormone (hGH) transgenic rats" Endocrinology. 139. 3057-3063 (1998)
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[Publications] Hirasawa M,他: "Activity of the ventromedial hypothalamic neurons suppressing heart rate is associated with paradoxical sleep in the rat" Brain Research. 797. 103-108 (1998)
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[Publications] 西原 真杉: "GnRH分泌制御の神経機構" 内分泌・糖尿病科. 6. 572-580 (1998)
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[Publications] Suzuki M,他: "Identification of sex steroid-inducible genes in the hypothalamus of neonatal rats by cDNA subtraction" Neuroscience Letter. 242. 127-130 (1998)
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[Publications] 西原 真杉: "脳と生殖-GnRH神経系の進化と適応-" 学会出版センター, 233 (1998)
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[Publications] Suzuki M,他: "Reproductive Biology Update : Novel Tools for Assessment of Environmental Toxicity" Miyamoto H, Manabe N (eds), Nakanishi Printing Co., 498 (1998)