1997 Fiscal Year Annual Research Report
高多型反復DNA配列を用いた家畜・家禽の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
08456152
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
国枝 哲夫 岡山大学, 農学部, 助教授 (80178011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森友 靖生 九州東海大学, 農学部, 助教授 (70148972)
及川 卓朗 岡山大学, 農学部, 助教授 (90160407)
佐藤 勝紀 岡山大学, 農学部, 教授 (10033325)
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Keywords | 遺伝病 / マイクロサテライトDNA / 反復DNA配列 / 連鎖解析 / 褐毛和種 / 軟骨形成不全症 / FGFR3 |
Research Abstract |
本研究の目的は、反復DNA配列、特に個体間できわめて高い多型性を示すマイクロサテライトDNAをマーカー遺伝子として用いた分子遺伝学的手法により、家畜、家禽の遺伝的形質の解析を行うことである。具体的にはウズラの連鎖地図を作成すること、褐毛和種に発生する軟骨形成不全症の原因遺伝子を同定すること、マーカー遺伝子を用いて特定の和牛の集団の遺伝的特徴を解析することの3点を目的としたが、今年度の研究では軟骨形成不全症の原因遺伝子を解析を中心に進めた。 軟骨形成不全症の原因遺伝子の染色体上の位置を特定するため、ウシの各染色体に均等に分布する201のマイクロサテライトマーカーを用いた連鎖解析を行った。連鎖解析の対象となる家系は褐毛和種における軟骨形成不全症について同一の種雄牛に由来する71頭の発症個体、29頭の正常個体、および種雄牛を含む30頭のキャリアー個体を用いた。これらの個体のDNAを抽出し、上記マイクロサテライト用プライマーを用いてPCR増幅を行い、得られたバンドにより各マーカーのタイピングを行った。 上記の201のマイクロサテライト遺伝子座が褐毛和種の集団内にて多型性を示すか否かについて調べた結果、115の遺伝子座が本家系を用いた連鎖解析に用いることが可能であることが明らかとなった。そこで上記の家系において各遺伝子座のタイピングを行ったところ、ウシ第6染色体上のいくつかのマーカー遺伝子座と本疾患の発症との間に有為な連鎖が認められ、本疾患の原因遺伝子はウシ第6染色体上に存在することが明らかとなった。この染色体上にはヒトの軟骨形成不全症の1タイプの原因遺伝子であるFGFR3遺伝子が存在するためこれら遺伝子が褐毛和種における軟骨形成不全症の候補遺伝子であると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Simonaro et al: "Bone marrow transplantation in newborn" Transplantation. 63. 1386-1393 (1997)
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[Publications] Tsuji et al: "Cloning and mapping of the mouse Gpx 2 gene" J.Vet.Med.Sci.60(印刷中). (1998)
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[Publications] Kunieda et al: "The gene encoding anti-Mulerian hormone" Mamm.Genome. 9(印刷中). (1998)
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[Publications] 国枝哲夫: "家畜遺伝性疾患の原因遺伝子解明へ向けた" 獣医臨床遺伝研究会誌. 5. 3-8 (1997)