1997 Fiscal Year Annual Research Report
生物界におけるハロゲン化酵素の機能とハロゲン循環系
Project/Area Number |
08456168
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 伸哉 富山県立大学, 工学部・生物工学研究センター, 教授 (90213066)
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Keywords | モノハロメタン / トリハロメタン / 海洋生物 / 細菌 / ハロペルオキシダーゼ |
Research Abstract |
本年度は、シュードモナス細菌由来のプロモペルオキシダーゼ遺伝子(bpo)のクローニングと発現を中心に研究を行った。同酵素は土壌環境におけるハロゲン元素の代謝、特に、ハロゲン含有抗生物質の生合成に重要な役割を担っていると推定される。既に酵素の精製は終了している。精製酵素のN-末端アミノ酸配列を基に作成したプローブを使用して、P.putidaIF-3株のゲノムライブラリーを検索し陽性コロニーを取得した。また、同時にbpo構造遺伝子のDNA塩基配列の解析を行い、得られたデータを基にしてPCR法にてbpo構造遺伝子を増幅した。この増幅断片をpUC119のlacプロモーターの下流に導入し、発現ベクターpUBPを作成した。pUBPを有するE.colijM109(pUBP)は誘導条件下約45単位/L培養液の生産性を示した。同菌体よりBPOを精製し、41%の収率で電気泳動にて単一な酵素標品を得た。精製倍率は約80倍であり、従来2000倍程度の精製が必要であったことに比べて容易に酵素が得られる様になった。bpo遺伝子の全塩基配列を決定するとともに、その諸性質について研究を行い、BPOがある種の基質に対してエステラーゼ活性を有することが明らかになった。シュードモナス細菌由来のBPOはハロゲン化反応以外にも異なる反応を触媒する多機能酵素であることを明らかにした。 また、プロモホルムが海洋環境において珪藻を初めとする海洋プランクトンに対して明確な付着防止作用を持つことを確認した。
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[Publications] N.Itoh, et al.: "Formation and emission of monohalomeehanes from marine algae" Phyeochemistry. 43. 67-73 (1997)
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[Publications] J.Miura and N.Itoh: "Deternainatoln of vanadium, cobalt, nickel and iron inbromoperoxidases from c.pilulifera and P.putida by HPLC with spectrophotometlic detaction" J.hiq. chromato and Re.Technol.20. 2367-2376 (1997)
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[Publications] N.Itoh: "Volatioe haloge nated compounds from marine algae ; theirformatlon mlchanismus and geochemical aspects" Rocert Research Developments in Phytochemistry. 1(未定). (1997)