1996 Fiscal Year Annual Research Report
モルフィナンアルカロイド生産の分子育種のための基盤研究
Project/Area Number |
08456172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 文彦 京都大学, 農学部, 教授 (10127087)
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Keywords | O-メチル化酵素 / イソキノリンアルカロイド / モロフィナンアルカロイド / オウレン / 形質転換 / パーティクルガン法 / 生合成 |
Research Abstract |
植物細胞におけるイソキノリンアルカロイド、具体的にはモルフィナンアルカロイド生産の分子育種を行うためにまず、オウレン細胞より単離した3種のO-メチル化酵素(scoulerine 9-O-methyltransferase、norcoclaurine 6-O-methyltransferase、3'-hydroxy-N-methylcoclaurine 4'O-methyltransferase) -cDNAならびにオウレン細胞においてもっとも高いプロモーター活性を示したエンハンサー配列を重複して持つカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターを用い、植物細胞用高発現ベクターを構築した。これらベクターが実際に高等植物細胞内で発現することをAgrobacteriumを用いてタバコ植物に本ベンターを導入することにより検討した。その結果、いずれのコントストラクトにおいてもベルベリン高生産オウレン培養細胞株よりも高い比活性を示す形質転換タバコ植物体が得られたことにより、ベクターの構築は正しく行われたことが確認された。現在、この発現ベクター/Agrobacteriumシステムを用いてオウレンを含むイソキノリンアルカロイド生合成植物の形質転換を試みている。 一方、オウレン細胞の場合Agrobacteriumを用いた形質転換が困難であることより、パーティクルガン法による遺伝子導入条件の確立も検討した。これまでに確立した条件をさらに効率化することを目的に検討を行い、0.35Mのグルコース培地で前培養することにより発現効率が約2倍に増加することを確かめ、現在本条件に基づいてオウレン細胞への導入を試みている。
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