1997 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋の240KDaタンパクの機能的意義の解明
Project/Area Number |
08457026
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉田 豊 新潟大学, 医学部, 講師 (40182795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 隆治 新潟大学, 医学部, 助手 (60184561)
仲澤 幹雄 新潟大学, 医学部, 助教授 (80143759)
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Keywords | IP_3受容体 / cGMP依存性蛋白質リン酸化酵素 / サイクリックGMP / 血管平滑筋 / 細胞膜カルシウムポンプ |
Research Abstract |
血管平滑筋におけるcGMP依存性蛋白質リン酸化酵素(PKG)による細胞膜カルシウムポンプ(PMCA)活性化にIP_3受容体のリン酸化が関与するか否かを検討するため、IP_3受容体の特異抗体を用いてIP_3受容体を除去した部分精製PMCA標品に対する精製PKGの作用を検討した。PKGは、IP_3受容体が完全に除去された標本でも、同受容体を服務標本と同様にPMCAの活性化を起こした。PKGのPMCAに対する直接作用を詳細に検討するため、IP_3受容体を含まないPMCAの高度精製標本を調製し、PKGの作用を調べたところ、PMCAが低濃度(10-20nM)でmonomerとして存在しており、calmodulin感受性を有している場合のみPKGによる活性化が起こり、PMCAが高農度(40-50nM)でdimerとなり活性化しており、calmodulin感受性を示さない場合にはPKGによる活性化は起きなかった。PKGによる低濃度PMCAの活性化はPKGの濃度に依存的であり、熱変性したPKGやcGMPが存在しない場合には活性化が見られないので、intactでcGMPによって活性化されたPKGがPMCAの活性化には必要であると考えられた。また、PKGによるPMCA活性化に際し、PMCAの部分精製標品、高度精製標品いずれでも、PMCAのリン酸化を認められなかった。さらに、PMCAの活性化を起こすのは、type I α PKGのみであり、type I βはPMCAの活性に影響しなかった。以上の結果から、PKGによる血管平滑筋PMCAの活性化には、IP_3受容体のリン酸化は直接関与していないこと、PMCAのリン酸化も考えられぬこと、血管平滑筋に存在しているtype I α とtype I βの2種類のPKGアイソザイムのうち、type O αのみがPMCAの活性化に関与していることなどがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M. O. Islam: "Isolation and characterization of vasular smooth muscle inositol 1, 4, 5 - trisphosphate receptor." Biochem. J.316. 295-302 (1996)
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[Publications] S. Hirono: "Expression of inducible nitric oxide synthase in rat experimental autoimmune myocarditis with special refernce to changes in cardiac hemodynamics." Circ. Res.80. 11-20 (1997)
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[Publications] Y. Yoshida: "Structure and function of inositol 1, 4, 5 - trishosphate receptar." Jpn. J. Pharmacol.74. 125-137 (1997)
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[Publications] T. Kawada: "cGMP - kinase mediates cGMP and cAMP - induced Ca^<2+> desensitization of skinned rat artery." Eur. J. Pharmacol.323. 75-82 (1997)
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[Publications] Y. Yoshida: "Stimulation of plasma membrane Ca^<2+> - pump ATPase of vascular smooth muscle by cGMP - dependent protein kinase : Functional reconstitution with purified proteins." Mol. Cell. Biochem. in Press. (1997)
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[Publications] 今井昭一: "NO関連血管拡張薬の作用機序" 日本歯科麻酔学会雑誌. 25. 671-682 (1997)