1996 Fiscal Year Annual Research Report
SNARE仮説によるインスリン分泌の分子機構の解明
Project/Area Number |
08457057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 助教授 (80231489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐和 弘基 杏林大学, 医学部, 講師 (80135912)
渡邉 卓 杏林大学, 医学部, 助教授 (00191768)
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Keywords | インスリン分泌 / 膵β細部 / SNAP / Syntaxin / NSF / 調節性分泌機構 / 構成性分泌機構 |
Research Abstract |
私達は、Syntaxin 1Aがインスリンの分泌におけるnegative regulatorであることを報告した。 (J.Biol.Chem.271:1160-1165,1996)。本年度の研究においては、SNAP,NSFを含めたこれら蛋白質のラット膵ラ氏島における発現・合成及び、(1)分泌機構における機能につき検討した。[方法]Stable transdectant cellの作製:Syntaxin 1A、α及びβ-SNAPをmammalian発現vectorに組み込み、マウスβTC3細胞にtransfection後にG418耐性細胞をcloningした。Pulse-chase実験:βTC3細胞を^3H-leucineを含んだmediumで30分間標識した後、種々の濃度のTPAを含んだmedium中で1時間chaseした。この間、細胞内及びmedium中に分泌された(1)を(1)抗体にて免疫沈降した。Iummunoblotting:GLUT1蛋白質に対しては、sucrose grasient法により形質膜分画を採取後、GLUT1抗体を用いたimunoblottingを行い、SNAP、NSF等に関しては、total cell lysateを用いて各特異的抗体によるimuunoblottingを行った。 Immunoprecipitation:膵ラ氏島、及びβTC3細胞を^<35>S-Met,Cysにて標識後、sonicationにてcellysateを作製し、特異的抗体とprotein A-Sepharoseを用いて免疫沈降後、SDS-PAGE、autoradiographyを施行した。組換えAdenovirusの作製:発現コスミドカセットpAdex1CAw(東大医科研遺伝子研究施設Dr.斉藤泉より供与)に、α-SNAP、NSFを組み込んだvectorを、EcoT221切断親ウイルスDNA-TPCと共に、293細胞にco-transfection後、組換えAdenovirusが生成されたウイルス株を分離した。Immunofluresence histology:ラット膵の凍結切片を作製、sucrose gradien処理後、特異的抗体で反応、蛍光発色させた。[結果]1)Syntaxin 1Aを過剰発現したβTC3細胞において、調節性(1)分泌は、control細胞の約1/2に抑制されたが、構成性分泌経路を介してnewly-sunthesized(1)分泌能、及びGLUT1蛋白質の形質膜への輸送には、何ら影響はみられなかった。2)RT-PCR法により膵ラ氏島にはα-SNAPが発現しており、又、NSFの発現も確認され、。immunoblot解析でも、α-SNAP、Syntaxin 1A共に検出されたが、NSFは蛋白質としての発現が低く、検出されなかった。免疫組織学的研削では、α-SNAPは膵β細胞の細胞質内に特異的に染色された。3)α-SNAPを過剰発現したβTC3細胞において、(1)分泌は増加する傾向にあったが、ラ氏島における機能を詳細に検討するため、α-SNAP、NSFの組換えadenovirusを作製し、現在(1)分泌経路における機能を検討中である。
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Research Products
(1 results)