1997 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管関門形成の分子機構,特にアストロサイト分泌因子の解析
Project/Area Number |
08457075
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Research Institution | Sapporo Medical University School of Medicine |
Principal Investigator |
澤田 典均 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (30154149)
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Keywords | 脳血管関門 / タイト結合 / 脳血管内皮細胞 / アストロサイト / 共焦点レーザー顕微鏡 / occludin / 7H6 / 細胞電気抵抗 |
Research Abstract |
1.目的 中枢神経系の毛細血管は一層の内皮細胞とその外側を取り囲む基底膜からなり、さらにその外周をアストロサイトの足突起が覆っている。内皮細胞は、神経系と循環系との間の物質の輸送を厳密に制限する血液脳関門(blood-brain barrier:BBB)を形成し、中枢神経系の恒常性を維持するために機能している。この関門には、隣接する内皮細胞同士のタイト結合が関与していると考えられている。本研究の目的は、アストロサイトがBBBに及ぼす影響を明らかにすることにある。 2.方法と結果 タイト結合を構成する分子は、ZO-1,ZO-2,cingulin,barmotin,symplekinなどが報告されているが、タイト結合の発達した脳の毛細血管内皮細胞では、他の内皮細胞に比べてoccludinの発現が高く、occludinがタイト結合の機能や構造に重要な役割を果たしていると考えられている。そこで、ラット肺毛細血管内皮細胞(RLE)にラットoccludinを強制発現させるために、ラットoccludinをクローニングし、pEF-BOS vecterを用いてRLEに導入した。得られたtransfectantを用いてnorthern blot,western blot,免疫組織化学、免疫電顕、フリーズフラクチャー、細胞電気抵抗、分子透過性などを検討した。その結果、occludinを導入したRLE細胞では多量のoccludin蛋白が作られ細胞膜に局在していたが、タイト結合のバリア機能(電気抵抗値、分子透過性)に変化は認められなかった。またZO-1には大きな変化は認められなかった。以上から、タイト結合機能発現には、occludinのほかに必須の因子の存在が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 森 道夫 他: "肝細胞から分離されたタイト結合関連蛋白7H6抗原の分子構造と機能" 肝サイトスケルトン研究会誌. 7. 43-47 (1997)
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[Publications] 澤田典均 他: "細胞接着装置-タイト結合-と癌" 現代医療. (印刷中).
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[Publications] Kimura,H.et al.: "Bacterial lipopolysaccharide reduced intestinal barrier function and altered localization of 7H6 antigen in IEC-6 rat intestinal crypt cells." J.Cell Physiol.171. 284-290 (1997)
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[Publications] Yamada-Sasamori,Y.et al.: "Rapid induction of 7H6 tight junction-associated protein and paracellular barrier function in capillary endothelial cells of porcine brain in vitro by treatment with astrocyte conditioned medium and cAMP." Med.Electr.Microsc.30. 8-14 (1997)
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[Publications] Sasaki K.et al.: "Difference in the expression of three tight junction proteins,barmotin,occludin and ZO-1,in phenotypically different human colon cancer cell lines." Med.Electron Microsc.(in press.).