1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457081
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Research Institution | Kyusyu University |
Principal Investigator |
多田 功 九州大学, 医学部, 教授 (60064531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸原 健二 九州大学, 生体防御研究所, 助手 (80214774)
古賀 正崇 九州大学, 医学部, 講師 (80136449)
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Keywords | ネズミ糞線虫 / ノックアウトマウス / 肥満細胞(MMC) / CD8+T細胞 / 排虫 / 防御免疫 / テストステロン / マクロファージ |
Research Abstract |
昨年に引き続きネズミ糞線虫に対する宿主の防御機構における機能分子についての研究を進めるためにネズミ糞線虫(Strongyloides ratti以下Sr)感染ノックアウトマウス(CD45-exon6欠損マウス、以下CD45-/-)モデルを用いて研究を行った.感染は第3期幼虫の皮下注射に基づき、感染動態は頭蓋部からの回収幼虫数と糞便内の虫卵数(EPG)とを指標にした.昨年度の研究でCD45-/-ではSrに対する防御機構が著しく低下しており、小腸内の感染期間も対照マウスに比べ長いことが示された.さらに脾細胞移入後CD45-/-におけるSr感染の時間経過の観察から、CD45-/-におけるSrに対する防御機構の著しい低下はT細胞の機能不全に依るものだけではない可能性が示唆された.そこで今年度はこの点に焦点を絞り、次の結果が得られた.1)IL-3による粘膜型肥満細胞(MMC)の誘導とSr感染の時間経過の観察から、CD45-/-でIL-3投与によってMMCが誘導されるものの、Srが排除されないことからCD45-/-のMMCの機能不全がその原因である可能性が考えらた.次に2)Sr感染におけるMMC誘導とCD4+T細胞とCD8+T細胞の関与を単クローン抗体を用いて検討した.その結果からSr感染においてもCD8+T細胞は防御に重要ではないことが示された。次いで、3)マクロファージに及ぼすSr感染マウスの性差、特にテストステロンの影響を検討した.マクロファージ機能のカーボンによる阻害はSrに対する感染防御を阻害した.テストステロン投与は阻害効果を促進した.
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