1997 Fiscal Year Annual Research Report
重金属により食細胞フリーラジカル産生刺激と細胞内情報伝達機構
Project/Area Number |
08457114
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
荻野 景規 金沢大学, 医学部, 教授 (70204104)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 雅美 金沢大学, 医学部, 助手 (90251925)
長瀬 博文 金沢大学, 医学部, 講師 (00251918)
|
Keywords | 酸化亜鉛 / グルタチオン / 化学発光 / 好中球 / 細胞内情報伝達 / モノアミンオキシダーゼ / TNFα |
Research Abstract |
酸化亜鉛(ZnO)によるラット腹腔浸出性好中球の活性化をルミノールを用いた化学発光で検討した。ZnOによるルミノール発光は、還元型グルタチオン(GSH)により増強され、この現象が活性酸素(O2^-)の消去酵素であるスーパーオキシドデイスムターゼにより抑制されず、過酸化水素(H2O2)の消去酵素であるカタラーゼで抑制されることから、当初、細胞内でH2O2が産生されていることが考えられた。また、ミトコンドリアに主に局在すると言われているモノアミンオキシダーゼの阻害剤であるclorgylineがZnO単独刺激による化学発光にはなんら影響を与えないのにたいして、ZnO+GSH刺激化学発光を著名に抑制することから、モノアミンオキシダーゼ由来のH2O2の関与が考えられた。しかしながら、NADPHオキシダーゼ阻害剤や低分子O2^-消去剤であるDPIやTironなどもZnO+GSH刺激化学発光の著名な抑制作用を示すことから、細胞内NADPHオキシダーゼの存在とその関与も示唆された。そこで、今後、TironのO2^-消去にたいする特異性や、モノアミンオキシダーゼの細胞内情報伝達における関与をリン酸化に焦点を絞って検討するとともに、最近ZnOヒュームのヒトへの吸入実験から、肺胞洗浄液中のTNFαの上昇が指摘されていることから、細胞内H2O2による転写因子を絡めたTNFαの産生を培養細胞系で証明しなければならない。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] H.Ishiyama, K.Ogino, M.Ogura, S.Dan, and T.Hobara: "Histopathological changes induced by zinc hydroxide in rat lungs" Exp Toxic Pathol. 49巻. 261-266 (1997)
-
[Publications] Hiroyuki Nakamura,Toshio Seto,Hirofumi Nagase,Masami Yoshida,Shigun Dan,Keiki Ogino: "Inhibitory effect of pregnancy on stress-induced immunosuppression through corticotropin releasing hormone(CRH)and dopaminergic systemS" Journal of Neuroimmunology. 75巻. 1-8 (1997)
-
[Publications] Nakamura H,Seto T,Nagase H,Yoshida M,Hatta K,Matsuzaki I and Ogino K: "Involvement of central neurotensin in thermoregulatory and neuroimmune function in pregnant rets exposed to heat" Brain Behav Immun. 11巻. 141-152 (1997)
-
[Publications] Nakamura H,Nagase H,Yoshida M,Ogino K,Seto T,Hatta K and Matsuzaki I: "Opioid peptides mediate heat stress-induced immunosupperssion during pregnancy" Am J Physiol. (in print).