1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古野 純典 九州大学, 医学部, 教授 (70128015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早渕 仁美 福岡女子大学, 人間環境学部, 助教授
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Keywords | 緑茶 / 血清脂質 / コレステロール / 食事 / 疫学 |
Research Abstract |
緑茶飲用の血清脂質に及ぼす影響を検討するために、男性自衛官を対象とした調査研究のデータ・ベースを用いた統計解析を行うとともに、平成7年から実施している疫学調査を継続実施した。 今回新たに解析したのは1991-1992年に札幌、福岡および熊本の自衛隊病院で定年退職前健康診断を受診した2062名の男性自衛官のデータである。喫煙、飲酒、肥満(ケトレー指数と腹囲臀囲比)および運動習慣の影響を補正しても血清総コレステロールおよびLDLコレステロールは緑茶飲用者で低値であった。緑茶を毎日飲まない者の血清総コレステロールおよびLDL-コレステロールはそれぞれ203mg/dlと122mg/dlであったが、1日10杯以上飲んでいる者の血清総コレステロールは196mg/dl、LDL-コレステロールは116mg/dlであった。緑茶飲用は米飯やみそ汁などの日本的な食事習慣と弱い相関を示していたが、これらの食事要因を補正しても緑茶と総コレステロールおよびLDL-コレステロールとの負の関連性は統計的に有意であった。 調査に関しては、北部九州の定年退職前男性自衛官を対象にした食事調査と検診データの収集作業を継続し、合わせて血液サンプルを採取した。約1000名の食事データ、血清脂質データおよび血漿サンプルが蓄積された。平成9年度は同様の調査を継続すると同時に、保存血漿を用いてアポ蛋白の測定を行い、飽和脂肪摂取量等の食事要因の影響を十分に考慮して緑茶と脂質代謝との関連性について中間的な統計解析を行う予定である。
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[Publications] 古野 純典(Kono S): "Relation of green tea consumption to serum lipids and lipoproteins in Japanese men" Journal of Epidemiology. 6(3). 128-133 (1996)
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[Publications] 古野 純典: "緑茶飲用と血液コレステロール" 臨床栄養. 90(4)(発表予定). (1997)