1997 Fiscal Year Annual Research Report
作業関連複合健康リスクの測定からみた交代勤務編成の改善効果に関する介入研究
Project/Area Number |
08457121
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
酒井 一博 財団法人労働科学研究所, 副所長 (90072660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 司 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究員 (10260134)
伊藤 昭好 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (30151492)
渡辺 明彦 財団法人労働科学研究所, 研究部, 特別研究員 (30072648)
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Keywords | 交代制 / 介入研究 / 交代勤務編成の改善 / 携帯型複合生理計測装置 / 生理的負担 / 生活時間調査 / 圧縮勤務 / 休日と勤務時間とのトレードオフ |
Research Abstract |
石油精製工場における実勤務・実作業への介入調査結果にもとづき、従来の連操型4組3交代制を9組2交代制にかえた。本年度は、測定・評価系の開発・改良を進めながら、新勤務制に移行して1年目の時点でフォローアップ調査を実施し、再評価を試みた。 1.測定・評価系の改良:実勤務・実作業場面において交代勤務に伴う生理複合影響を連続測定するために開発した携帯型装置の改良によって一層の小型化と安定化を図った。 2.石油精製工場において昨年度実施した4組3交代制ならびに9組2交代制のもとでの介入調査データの分析をすすめ、多くの知見を得た。(1)複合生理データや心理データ面からは3交代における8時間夜勤と、2交代における12時間夜勤との間に有意差は認められなかった、(2)生活時間調査によれば勤務制の移行により職業関連の時間が短縮する一方、交代1周期当たりの平均睡眠時間は、9組2交代制の方が昼眠が16分短縮し、夜眠が31分延長していた。 3.9組2交代制への移行1年目の時点で、交代勤務者全員202名を対象に新旧勤務制についての評価を求めたところ、「よくなった」とする回答が58%を占め、「悪くなった」とする11%を大幅に上回っていた。 2年間にわたる介入研究の結果、第1に、交代勤務アクションプログラムの開発にあたっては、業務内容の改善と勤務時間の長さとの関連、休日数と勤務時間とのトレードオフ、仮眠挿入をはじめとするきめ細かなコーピングストラテジの構成などが重要である。第2に、交代勤務の改善効果の判定には、勤務者の生理複合影響と心理反応の測定、評価、勤務を迫った生活時間調査、ならびに交代勤務者本人や管理者、さらに条件が許せば配偶者などの質問紙調査などにもとづく総合判定が有効であることが判明した。
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