1998 Fiscal Year Annual Research Report
重心動揺測定を用いた有害因子が小脳、前庭、脊髄機能に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
08457127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 和仁 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00158370)
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Keywords | 重心動揺検査 / コンピューター / 周波数分析 / 鉛 / 有機溶剤 / 小脳 / 前庭 / 深部知覚 |
Research Abstract |
マイクロコンピューターを用いた重心動揺(周波数分析を含む)および眼振解析システムを確立し、これらを用いて有機溶剤、鉛、飲酒等の有害因子により、身体平衡機能に関わる小脳、前庭および深部知覚系のいずれが早期に傷害されるかを明らかにすることを目的として研究を行った。重心動揺は、増加している周波数成分により、前庭小脳型(非特異的、開眼時)、小脳前葉型(2-4Hz、開眼時)、および深部知覚型(1Hz以下、開眼時)に区別した。以下の知見が得られた。(1)鉛作業者における調査では、重心動揺の高周波数(2-4Hz)および低周波数(1Hz以下)成分が開閉眼時に増加し、前庭小脳、小脳前葉および深部知覚系の障害が示唆された。さらに、前庭-小脳系は現在の鉛暴露レベルが、一方、小脳前葉は過去鉛暴露が影響することが推定された。(2)n-ヘキサン、キシレンを含む混合有機溶剤暴露作業者で、重心動揺の高周波数(2-4Hz)の成分が開眼時に増加し、この影響がn-ヘキサンによると示唆された。さらに、キシレンはこの影響に拮抗すると推定された。(3)東京地下鉄サリン事件患者で、事件の6〜8ヶ月後に、重心動揺の低周波数(1Hz以下)成分が開眼時に増加し、かつ中毒直後の血清コリンエステラーゼ値と有意な相関があった。これより、サリン中毒による前庭小脳系への長期影響が示唆された。これらの成果を取りまとめて論文発表を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yokoyama, K., Araki, S., et al: "Subclinical vestibulo-cerebellor, anterior cerebellor lobe and epinocerebellor effects in lead workers in relation to concurrent and past exposure." Neurotoxicology. 18. 371-380 (1997)
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[Publications] Yokoyama, K., Araki, S., et al: "A preliminary study on delayed vestiblo-cerebellar effects of Tokyo subway sarin poisoning in relation to gender difference : Frequency analysis of postural sway." Journal of Occupational and Environmental Medicine. 40. 17-21 (1998)
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[Publications] Yokoyama, K., Araki, S., et al: "Chronic neuro-behavioral effects of Tokyo subway sarin poisoning in relation to posttraumatic stress disorder." Archives of Environmental Health. 53. 249-256 (1998)
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[Publications] Yokoyama, K., Araki, S., et al: "Chronic neurobhavioral and central and autonomic nervous system effects of Tokyo subway sarin poisoning." J Physiology (Paris). 92. 317-323 (1998)