1996 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー疾患の発症及び進展を予防する食生活のあり方に関する基礎的実験的研究
Project/Area Number |
08457129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥居 新平 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 教授 (80023802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 龍雄 名古屋大学, 医学部, 助手 (60262896)
石黒 彩子 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70135375)
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Keywords | 多価不飽和脂肪酸 / エイコサペンタエン酸 / ドコサヘキサエン酸 / アトピー性皮膚炎 / 好酸球 / セファデックスビーズ |
Research Abstract |
1.栄養価計算システムNUT Version 4.0を用いて食物除去療法中のアレルギー疾患患児の栄養調査を行った。その結果、健常児に比べ、コレステロール、カルシウム、食物繊維の摂取量が有意に低値であることが明らかとなった。また、栄養指導を受けずに食物除去療法を行っている患児のなかには栄養摂取が極端に不良のものが認められた。 2.脂肪酸の摂取量及び摂取内容と血漿リン脂質中の脂肪酸組成とに明瞭な関連性を見い出せなかった。この点は、脂肪酸摂取に関する栄養指導のあり方を決定するうえで今後の検討課題となる。 3.Sephadex beads静注による気道内腔への好酸球浸潤に及ぼすドコサヘキサエン酸の効果をラットを用いて検討した。その結果、Sephadex beadsはBALF中の好酸球数、リンパ球数、好中球数を増加したが、DHAはこうした気道反応を用量依存的に抑制した。 4.ポリミキシンB感作モルモットにポリミキシンBとEPA、DHAあるいはリノール酸を腹腔内に投与し、40時間後に採取した腹腔内好酸球のLTB4に対する遊走能・運動能を検討した。コントロール群に比べて、DHA及びEPA投与群では好酸球の遊走能および運動能が有意に抑制されたが、リノール酸投与群ではいずれの細胞活性に関しても差を認めなかった。今回の結果(3、4)は、n-3系多価不飽和脂肪酸の抗アレルギー作用の機序のひとつを示唆するものであろう。 5.今後の検討課題-n-3系多価不飽和脂肪酸の抗アレルギー作用の機序をさらに詳しく解明してゆくことは、これらの脂肪酸の臨床応用の道を開くことに繋がると考えられる。
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Research Products
(2 results)