1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457132
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹本 泰一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60010005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 耕司 長崎大学, 医学部, 助手 (60253647)
千住 秀明 長崎大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (30179361)
門司 和彦 長崎大学, 医学部, 助教授 (80166321)
太田 保之 長崎大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50108304)
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
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Keywords | 人類生態学 / 火山噴火 / 人口移動 / 人口動態 / 健康影響 / 呼吸器障害 / 皮膚粘膜の刺激 / PTSD |
Research Abstract |
雲仙普賢岳噴火は1995年5月に終息宣言が出されたが、火山灰によって営農内容の変化を余儀なくされ、土石流の被害や防災ダムの建設によって移住を余儀なくされるなど災害の影響は今も続いている。本研究はこうした噴火災害による長期的影響を人口変動、営農の変化、心身面の健康像といった人類生態系の変様という視点から解明を図った。 1.噴火災害による人工変動:災害地(島原市、深江町)では災害による人口減少が顕著であり、特に警戒地区(水無川流域)での人口流失が多かった。人口動態面では死産率の上昇が特異的であった。死因別死亡率では呼吸器疾患による死亡率の上昇傾向が認められた。これらの人口の変動・人口動態については、長期的な観察が必要である。 2.地域の成人住民での皮膚粘膜の刺激症状は噴火の鎮静化とともに急速に有訴率が低下した。一方、せき、たんなどの呼吸器症状では低下の速度が遅く、特に高齢者では回復が遷延化していた。加齢に基づく呼吸機能の低下が噴火災害によって加速されていると推定された。 3.学童生徒でも呼吸器症状を含めて、皮膚粘膜の刺激症状の訴えは改善が著しいが、喘息有病率は非被災地と比べて依然として高率である。 4.精神保健面では、避難者における災害避難時から現在までの精神的ストレス状態の変化を一般健康質問票(General Health Questionnare)等で分析した。災害時の危機管理としての精神保健活動システムの重要性とともに、災害後の心的外傷後ストレス症候群(PTSD:Post Traumatic Stress Disorders)の発生等に関する精神面のリスク管理の必要性が指摘される。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 太田保之: "災害ストレスと心の健康" ストレス科学. 11. 8-13 (1996)
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[Publications] 太田保之: "災害精神医学の現状" 精神医学. 38. 344-354 (1996)
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[Publications] 太田保之: "普賢岳噴火災害による避難住民の精神医学的問題と避難住民に対する精神保健的支援" 精神科診断学. 7. 47-64 (1996)
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[Publications] 荒木憲一・太田保之・川崎ナヲミ・長岡興樹・中植允文: "災害精神医療(治療)と災害精神保健(援助)-援助のあり方について" 精神神経学雑誌. 98・10. 757-760 (1996)
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[Publications] 荒木憲一・中根允文: "外傷後ストレス障害(PTSD)" 総合臨牀. 45・9. 2221-2222 (1996)
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[Publications] 田川宣昌・田川雅子・竹本泰一郎: "大火砕流の経験を生して" 公衆衛生 特集「現代の危機管理」. 61・12. 891-895 (1997)
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[Publications] 太田保之・荒木憲一・川崎ナヲミ・長岡興樹・中根允文: "火災ストレスと心のケア 雲仙普賢岳噴火災害を起点に" 医歯薬出版株式会社, 171 (1996)
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[Publications] 竹本泰一郎: "九州地区大学放送公開講座 ストレス社会を健やかに生きるために" 鹿児島大学医学部学務課, 140 (1997)