1997 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスのインターフェロン抵抗性に関する研究
Project/Area Number |
08457164
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 千史 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60154069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 雅之 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10280976)
榎本 信幸 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20251530)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / インターフェロン / 慢性肝炎 |
Research Abstract |
Genotype 2aのインターフェロン著効率は約60%であったが、genotype 2bでは約30%であり、genotype 2bではgenotype 1bと変わらない成績であった。genotype 2aにおいてもNS5A領域の変異が高頻度に認められており、既に報告されているprototypeとの比較では、NS5A領域の変異が多いものがよりインターフェロン著効率が高かった。一方、genotype 2bについての解析では、症例数が少なくNS5A領域の変異とINF著効率との間の関連みられていなかった。そこで本年度は更に対象数を増やして検討したところ、やはり変異数の多い方が感受性が高いことが明らかとなった。 一方最近、5'-NCRにあるinternal ribosome entry siteの塩基配列の変異が、インターフェロン著効率と関連するという報告がされている。関連がなかったとする報告もあり、NS5A領域が関連するのか、或いは5'-NCRが関連するのかを調べる目的で、25人の患者で5'-NCRの変異とインターフェロン著効率との関連を検討した。しかしこの部位の変異数は著効群と無効群との間で有為な差を認めなかった。また血中ウイルス量とこの部位の変異数も関連が認められなかった。従って、現在のところ、インターフェロン著効率と関連するウイルス遺伝子の部位はNS5A領域のみであることが示された。今後この機序を明らかにするために、この部位を発現するアッセイ系を確立し、反応する細胞側の因子との関連を追及することが必要であると思われた。
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Research Products
(1 results)