1997 Fiscal Year Annual Research Report
重症敗血症に伴う臓器障害発生機序の解明とその治療法開発に関する実験的研究
Project/Area Number |
08457180
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
吉村 一彦 信州大学, 医学部, 助教授 (70174985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼田 信光 信州大学, 医学部, 助教授 (30135123)
佐野 健司 信州大学, 医学部, 講師 (50205994)
高 昌星 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (80143981)
小林 俊夫 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (80020775)
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Keywords | 肺微小血管透過性 / 水分濾過係数 / エンドトキシン / 一酸化窒素 / プロスタグランティン |
Research Abstract |
本年度はウシの培養・単層肺血管内皮細胞のE.coliエンドトキシン(LPS)による傷害モデルを作成し、以下のような検討を行った。 培養液へのLPS投与によって、投与後4時間以降でEvans blue色素の透過性は時間及び濃度依存性に亢進を示し、培養液中の好中球の存在によって曲線は左方移動を示した。このことはLPSによる内皮細胞傷害が好中球の存在下に亢進することを示している。 以上の実験モデルにおいて、LPSによる肺傷害の発生メカニズムを検討するために、好中球エラスターゼおよび一酸化窒素とその代謝産物の関与について検討する目的で、選択的好中球エラスターゼ阻害剤、一酸化窒素合成酵素阻害剤の効果を検討した。その結果、選択的好中球エラスターゼ阻害剤の前投与によって好中球存在下のタンパク透過係数の上昇はほぼ完全に抑制され、一酸化窒素合成酵素阻害剤の前投与では変化が認められなかった。培養液に好中球を加えない実験群のタンパク透過係数の上昇は、選択的好中球エラスターゼ阻害剤の前投与によっては変化がなく、一酸化窒素合成酵素阻害剤の前投与では、タンパク透過係数の上昇は抑制された。以上の結果より、LPSによる血管内皮細胞傷害の発生メカニズムには、好中球存在下においては好中球エラスターゼが、また好中球の存在しない場合においては一酸化窒素がその病態に関与していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Inoue A.et al.: "Suppression of cell-transferred experimental autoimmune encephalomyelitis in defivrinated Lewis rats" J.Neuroimmunology. 71. 131-137 (1996)
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[Publications] Asano K.et al.: "The cGMP pathway is not responsible for the bluuted hypoxic vasoconstriction in rat lungs after high altitudl exp" Acta Physiol.Scond.160. 393-400 (1997)
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[Publications] Chen QH et al.: "Exercise performance of Tibetan and Hcm adolescents at altitude of 3417 and 4300 m" J.Appl.Physiol. 83. 661-667 (1997)