1996 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息の発症に関与する気道過敏性の遺伝的素因の解析
Project/Area Number |
08457184
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
井上 洋西 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40133962)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 仁 岩手医科大学, 医学部, 講師 (60215358)
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
|
Keywords | 気管支喘息 / Histamine N-methyltransferase (HMT) / 気道過敏性 / 遺伝子多形 / ヒスタミン / MMT遺伝子 / アレルギー / CA繰り返し配列 |
Research Abstract |
ヒトHMTの遺伝子構造の解析に関してはEMBL3ファージベクターで作成されたヒトゲノムライブラリーをヒトHMTcDNAでスクリーニングし、得られたファージクローンよりヒトHMT遺伝子構造を決定した。結果はヒトHMT遺伝子は6個のエクソンからなり、第一エクソンは137塩基の翻訳領域と383塩基と比較的長い非翻訳領域を有する。転写開始点の5'上流領域にはTATA様配列は存在しなかった。HMT遺伝子の多型性に関しては、これまで翻訳領域の314番目のCがTに変換しスレオニンがイソロイシンに変わる場合と、595番目のGがAに変換しバリンがイソロシンに変わる場合が報告されている。今回我々は得られたHMTクローンをCA繰り返し配列を含むプローブでスクリーニングし、エクソン6近傍のイントロン内に2個のCA繰り返し配列を確認した。得られたHMTクローンの一つのCA繰り返し配列数は12個であり、もう一方は22個であった。12個のCA繰り返し配列は各個人間で多型性を示さなかったが、22個のCA繰り返し配列は多型性を示し、今回の研究に用いた。CA繰り返し数はCA繰り返し配列を狭む2個のプライマーを用いたPCR増幅により決定された。【調査対象】健常者はアレルギー疾患を持たず、これまで喘鳴の既住のない85名であり、気管支喘息患者は臨床症状及び生理学的検査より診断され、現在も定期的に治療を受けている106名を対象とした。尚本研究のすべての対象者は現在盛岡市に在住のものに限定した。【結果及び考案】今回調べたエクソン6近傍のCA繰り返し配列数は対象者群で15から30まで分布しており、健常者群及び気管支喘息群における分布の差はx2検定により、P=0.0115と有意であり、特に繰り返し配列数20以下が有意に喘息患者群で多かった。これらの事実はHMT遺伝子が一部の気管支喘息患者の発症に関わっており、20以下のCA繰り返し配列数は気管支喘息の危険因子と考えられる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Suzuki T: "Aerosolized Human Neutrophil Elastase Induces Arrway Constriction and Hyperespons heneus with pratection by Intravenous Pretreatment with Half length Secretory Lcukoproteuse Inhibitor" Am.J.Respir.Crot.Cane Med. 153. 1405-1411 (1996)
-
[Publications] Yamauchi K: "strueture of human his tamine N-methyltransfeiase gevl" Am.J.Rcepir Crit.Cave Med. 153. A226 (1996)