1997 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いた副腎白質変性症の病態解明と遺伝子治療に関する研究
Project/Area Number |
08457191
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 猛 九州大学, 医学部, 助教授 (50230462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 祐久 九州大学, 医学部, 医員
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Keywords | 副腎白質変性症 / AJD / ALDP / ノックアウトマウス / 極長鎖脂肪酸 / β酸化 / VLACS / ペルオキシソーム |
Research Abstract |
副腎白質ジストロフィー(adrenoleukodystrophy,ALD)における極長鎖脂肪酸(VLCFA)のβ酸化障害の機構を、ALD蛋白(ALDP)欠損マウスを用いて調べた。VLCFA-CoA合成酵素(VLACS)をALDP欠損マウス由来の線維芽細胞に強制発現させてもVLCFAのβ酸化障害は改善しなかったが、VLACSとALDPを同時に発現させると改善した。このことから、VLACSの機能発現にALDPが関与していることが分かった。ウエスタンブロット解析から、ALDP欠損はVLACSの組織発現には影響を及ぼさないことが分かった。細胞画分のウエスタンブロット解析で、PMP70は両マウスのペルオキシソーム画分に同様に認められた。VLACSは対照マウスでは全画分およびペルオキシソーム画分に認められ、細胞質1画分には認められなかったが、ALDP欠損マウスでは全ての画分に認められた。ペルオキシソーム画分のVLACSとPMP70の量比は、ALDP欠損マウスは0.158で対照の1/4程度に低下していた。このことはALDPがVLACSのペルオキシソームへの局在に関与していることを示唆している。ただし、ALDP欠損のみではVLACSのペルオキシソームへの局在が完全に阻害されないことから、局在には他の蛋白も関与していると考えられる。ALDPにはPMP70,ALDRP,P70Rといった相同蛋白が知られており、これらを欠損させた場合にVLACSの局在がどのようになるかは今後の課題である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamada Takeshi: "Protease inhibitor suppress the degradation of mutant adrenoleukodystrophy proteins but do not correct impairment of very long chain fatty acid metabolism in adrenoleukodystrophy fibroblasts" Neurochemical Research. 22. 233-237 (1997)
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[Publications] Kobayashi Takuro: "Adrenoleukodystrophy protein-deficient mice represent abnormality of very long chain fatty acid metabolism" Biochem Biophys Res Commun. 232. 631-636 (1977)