1997 Fiscal Year Annual Research Report
ジストロフィン発現制御機構と生理機能の解明およびDMD遺伝子治療に関する研究
Project/Area Number |
08457224
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三池 輝久 熊本大学, 医学部, 教授 (90040617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 重美 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60284767)
|
Keywords | ジストロフィン / トランスジェニックマウス / 発現調節機構 / 遺伝子治療 / lacZ / プロモーター |
Research Abstract |
私たちはジストロフィン(dy)の発現制御機構を知ることによりその生理学的役割を知る手掛かりにしようと考えている。その方法として各組織におけるdy発現制御機構を明らかにし特に平滑筋におけるdyの機能を知るための検索を行いたいと考えている。昨年度は以下のような成績を得報告した。 1)レポーター遺伝子lacZを用いたトランスジェニックマウス作成によるdy発現・調節機構の検討でマウス筋型dyプロモーター領域のexon1より上流900bpでは右心特異的にdy発現を制御しているが観察され、更にヒトdy遺伝子100bpにlacZを繋いだトランスジェニックマウスでもほぼ同様の結果を得ることから骨格筋、平滑筋、右および左心筋でそれぞれに発現様式が異なっていることを示唆した。 (Dev Growth Different :1997,39:257:265)この推論を確かめるために今回は更に上流の7.5kbにlacZをランスジェニックマウスを作成し検討した。この結果左心室心筋および大血管平滑筋にその発現が観察され筋型exon1の上流7.5kbは左心室心筋と血管平滑筋のdy発現制御に関わることが明らかになった。興味深い所見としてこのトランスジェニックマウスでは胎児骨格筋にもdy発現が認められるのであるが成熟と共に消失してしまう点である。つまりDRP(ユートロフィン)の態度と類似した行動が見られる。今後の研究課題となった。更に最近DMD死因の一つとして肺血管の梗塞が注目されその背景として血液凝固系の亢進状態が上げられている。一次的には血管平滑筋のdy欠損による血管機能の低下が潜んでいる可能性が目され始めている。そこで今後の方向としてmdxマウス血管平滑筋にdyを導入することにより骨格筋の崩壊を防ぐことができるか否かの検討を開始しておりdyの生理機能を明らかにすると共に臨床的な治療にむけての大きな情報源としたいと考えている。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] S Kimura: "A 900bp genomic fragment from mouse dystrophin promoter region directs lacZ reporter expression only to the right heart of transgenic mics." Develop Growth Differ. 39. 257-265 (1997)
-
[Publications] S Kimura: "2.1 kb 5′flanking region of the brain type dystrophin gene directs the expression of lacZ in the cerebral cortex, but not in the hippocampus." J Neurol Sci. 147. 13-20 (1997)
-
[Publications] S Kimura: "Muscle type promoter and its first intron abnormalities in dystrophin gene patients with Duchenne muacular dystrophy." J Child Neurol. (in press). (1998)
-
[Publications] S Kimura: "The immobility effect on Duchenne muscular dystrophy : A case of the X-linked myotubular myopathy with Duchenne muscular dystrophy." Annals Neurol. (in press). (1998)
-
[Publications] M Ikezawa: "Newly recognized exons induced by splicing abnormality from an intronic mutation of dystrophin gene resulting in DMD." Brain Dev. (in press). (1998)
-
[Publications] M Ikezawa: "Dystrophin gene analysis on 130 patients with Duchenne muscular dystrophy with a special reference to muscle mRNA analysis." Brain Dev. (in press). (1998)
-
[Publications] T Miike: "Congenital Muscular Dystrophy" Y Fukuyama, M Osawa, K Saito, 440 (1997)