1998 Fiscal Year Annual Research Report
ジストロフィン発現制御機構と生理機能の解明およびDMP遺伝子治療に関する研究
Project/Area Number |
08457224
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三池 輝久 熊本大学, 医学部, 教授 (90040617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 雅克 熊本大学, 医学部付属病院, 医員
木村 重美 熊本大学, 医学部付属病院, 助手 (60284767)
|
Keywords | ジストロフィン / トランスジェニックマウス / 発現制御機構 / 遺伝子治療 / lacZ / プロモーター |
Research Abstract |
私たちはジストロフィン(dy)の発現制御機構を知ることによりその生理学的役割を知る手掛がりにしようと考えてきた。 その方法として各組織におけるdy発現制御機構を明らかにし特に平滑筋におけるdyの機能を知るための研究を行っておりこれまで以下のような成績を得報告した。 1)マウス筋型dyプロモーター領域のexon 1より上流900bpでは右心特異的にdy発現を制御していることが観察され、ヒトdy遺伝子にlacZを繋いだトランスジェニックマウスでもほぼ同様の結果を得たことから骨格筋、平滑筋、右および左心筋でそれぞれに発現様式が異なっていることを示唆した。 この推論を確かめるために今回は更に上流の7.5kbにlacZを繋いだトランスジェニックマウスを作成し検討した。 この結果左心室心筋および大血管平滑筋にその発現が観察され筋型exon 1の上流7.5kbは左心室心筋と血管平滑筋のdy発現制御に関わることが明らかになった。最近DMDの死因の一つとして肺血管の梗塞が注目されその背景として血液凝固系の亢進状態が上げられている。一次的には血管平滑筋のdy欠損による血管機能の低下が潜んでいる可能性を確かめるためにmdxマウス血管平滑筋にdyを導入し骨格筋の崩壊を防ぐことができるか否かの検討を開始しトランスジェニックマウス作成のためのコンストラクトを作成中である。 これに平行してDMD遺伝子治療に関する研究を日本医科大学・生化学第二・島田隆教授と共同研究を行い筋組織特異的にアデノウィルスベクターとエコトロピックレトロウィルスベクターを組み合わせた二段階遺伝子導入法を開発した。勿論DMDの筋組織を標的とした遺伝子治療を開発するべく検討を進めると同時にこの手法を用いて全身の平滑筋へdy遺伝子導入を試みる準備を開始した。これらの研究によりdyの生理学的な機能を解明し臨床的治療法を開発すると共に遺伝子治療の開発を試みることになった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] S Kimura: "Muscle type promoter and its first intron abnormalities in dystrophin gene patients with Duchenne muacular dystrophy." J Child Neurol. 13. 290-292 (1998)
-
[Publications] S Kimura: "The immobility effecton duchenne muscular dystrophy:A case of the X-linke myotubular myopathy with Duchenne muscular dystrophy." Annals Neurol. 44. 967-971 (1998)
-
[Publications] M Ikezawa: "Newly recognized exons induced by splicing abnormality from an intronic mutation of dystrophin gene resulting in DMD." Human Mutation Mutation in Brief#213 online. (1998)
-
[Publications] M Ikezawa: "Dystrophin gene analysis on 130 patients with Duchenne muscular dystrophy with a special reference to muscle mRNA analysis." Brain Dev. 20. 165-168 (1998)