1996 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンスDNAによる遺伝子イメージング診断法の開発に関する研究
Project/Area Number |
08457241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
利波 紀久 金沢大学, 医学部, 教授 (60019940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 和弘 金沢大学, アイソトープ総合センター, 助手 (40143929)
横山 邦彦 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (60230661)
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Keywords | アンチセンスDNA / オリゴヌクレオチド / 放射性アイソトープ / デリバリィシステム / 昇圧 |
Research Abstract |
mRNAと相補的なDNAプローブを用いたin situ hybridizationと同様の特異的結合反応をin vivoで実現すれば,がん細胞の遺伝子レベルでの性状診断が非侵襲的に画像で可能となる.具体的には,放射性アイソトープ(RI)標識アンチセンスオリゴヌクレオチド(DNA)を体内投与し,その放射能局在をγカメラで評価する.そのためにイメージングに適したRIをオリゴマーと安定に結合させる標識方法の検討中である.オリゴヌクレオチドのような小分子物質の血中放射能クリアランスは著しく早く,そのため腫瘍への絶対的集積量が制限されることが予測される.初年度は,腫瘍血行動態の改善を計り,デリィバリィを向上させる方法を検討した.すなわち,ヒト大腸癌LS-180移植ヌードマウスにおいて,アンギオテンシン-IIによる昇圧操作に基づく腫瘍血流増加作用およびキニナーゼ阻害剤(エナラプリル)による血管透過性亢進作用を利用し,Tl-201塩化タリウム,Tc-99m標識アルブミンを組織血流量,組織血液量あるいは血管透過性のマーカーとして,アンギオテンシン-II,エナラプリルの至適投与量を検討した.アンギオテンシン-IIによる昇圧作用は,0.5-2μg/kg/minの範囲において投与量依存性を示した.2μg/kg/minの投与量において,両マーカーの至適腫瘍集積改善が得られ,30μgのエナラプリル投与によって最適の腫瘍血行動態改善が得られた.以上の結果から,アンギオテンシン-IIによる短時間の昇圧操作およびキニナーゼ阻害剤投与により,正常組織に影響をおよぼすことなく腫瘍血行動態を改善可能であることが確認された.この操作により,放射能標識アンチセンスの正常組織分布を変えることなく,高い腫瘍集積を維持しえるものと考えられた.
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