1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457242
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Research Institution | Fukui Medcal School |
Principal Investigator |
米倉 義晴 福井医科大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (60135572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定藤 規弘 福井医科大学, 高エネルギー医学研究センター, 講師 (00273003)
藤林 康久 京都大学, 薬学部, 助教授 (50165411)
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Keywords | 神経受容体 / ドパミン / 画像解析 / SPECT / 脳機能 |
Research Abstract |
本研究は、シングルフォトン断層法(SPECT)によるヒトの脳内ドパミン受容体機能の定量的測定法を確立することをめざして、それぞれの標識リガンドの特性を考慮した数学モデルの設定と、これらのモデルに基づく解析法の開発、さらに臨床的に利用できる簡便な解析法を考察し、その妥当性について検討した。 ドーパミンD2受容体結合リンガンドであるた2′-iodospiperone(2′-ISP)とiodobenzofuran(IBF)のヨウ素123標識薬剤を健常男性に投与し、その脳内動態をSPECTにより撮像した。同時に採血して得られた血液中の放射能を分析し、その代謝動態についても検討した。いずれの標識薬剤も線条体のドパミン受容体に選択的にしかも可逆的に集積することが確認された。2′-ISPは線条体への集積が投与約1時間後に最大となりその後徐々に低下したが、簡易的定量法として算出した線条体/大脳皮質の比は、投与後2-4時間後でほぼ一定の値を示し、受容体への結合を評価する簡易指標として利用できることが示された。IBFの線条体への集積は2′-ISPよりも速やかであり、また非特異的結合部からの洗い出しも早く、投与2-3時間では2′-ISPよりも高い線条体/大脳皮質比を示した。IBFのSPECTデータと経時的な動脈血採血から得られた入力関数をもとにしてコンパートメント解析を行った結果、得られた線条体の受容体結合指標は、投与2-3時間後の線条体/大脳皮質比と良好な相関を示したが、後者のパラメータに時間依存性が存在することが確認された。 SPECTによる受容体機能の評価においては、見かけ上の平衡状態での測定が可能であり、臨床的に簡便に利用できる指標として特異的結合/非特異的結合比が用いられる。ヒトにおける測定では動的な平衡状態にあるために、この指標の時間依存性が問題となることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)