1997 Fiscal Year Annual Research Report
p53依存性、非依存性甲状腺がん発生の分子機構の解明
Project/Area Number |
08457268
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津留 晶 長崎大学, 医学部, 助手 (00233198)
難波 裕幸 長崎大学, 医学部, 助教授 (80237635)
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Keywords | 甲状腺がん / p53 / アポトーシス / DNA修復 |
Research Abstract |
甲状腺がんの発症機序を解明するために、本年度は、甲状腺細胞のアポトーシスからの逸脱と放射線抵抗性およびDNA修復能について解析をすすめた。 放射線照射により甲状腺細胞がアポトーシスに対して抵抗性があることをin vitroとin vivoで確めた。 放射線照射後に、p53タンパクが細胞内で増加することを認め、p53依存性アポトーシスが誘導されない理由を解明するために、p53下流で転写活性の調節を受けている遺伝子群(Bcl-2,Fas,Bax,GADD45,Waf1)について、その発現を調べた。その結果、GADD45,Waf1はp53の発現誘導に相関して転写活性の増加を認めたが、Bcl-2,Fas,Bax遺伝子に関しては、p53タンパク量により発現調節を受けていないことがわかった。 DNA修復能を調べる目的でDNA end-joining分析を用いおこなった結果、正常p53の発現が増加することでDNA end-joiningが促進することが確認された。 以上の結果より、甲状腺細胞では放射線によりアポトーシス抵抗性が見られ、細胞内に誘導された正常p53の作用によりDNA再接合が促進されることが示唆された。すなわちチェルノブイリの甲状腺がんで高頻度で認められるRetがん遺伝子の再配列の一機序を明らかにすることができた。 この結果は、Oncogene14、1511-1519、1997誌に報告した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.T.Yang,H.Namba,S.Yamashita et al.: "p53 induced by ionizing radiation mediates DNA end-jointing activity,but not apoptosis of thyroid cells" Oncogene. 14. 1511-1519 (1997)
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[Publications] T.Hara,H.Namba,S.Yamashita et al: "Ionizing radiation activates c-Jun NH2-terminal kinase(JNK/SAPK)via a PKC-dependent pathway in human thyroid cells." BBRC. (in press).