1996 Fiscal Year Annual Research Report
ATLにおける多段階発癌の分子機構に関与する遺伝子群の解析
Project/Area Number |
08457273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
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Keywords | HTLV-1 / ATL / multistep carcinogenesis / FDD / EST |
Research Abstract |
本年は初年度研究計画に基づき以下の様な成果が得られた。 1、ATL腫瘍細胞で特異的に発現の異なる遺伝子のパネル化: これまで80通りののプライマーの組み合わせについて蛍光DDRT-PCRを施行した。差の認められたバンドをゲルから回収して再度PCRを行って増幅し、プラスミドにクローニング後、共泳動実験、制限酵素切断実験によって確認の後、30個のcDNA断片につき塩基配列の決定を行い、コンピューターによるホモロジー解析を行った。このうち20個はATL細胞で発現の亢進が見られたもの、10個は発現が低下していたものであった。全体で既知の遺伝子は14個、expressed sequence tag(EST)として登録されているものを含め、未知のものが16個であった。既知のもので発現が亢進していたものの中にはには、CD4とL-selectinが含まれており、この実験系が目的の通り機能していることが示唆された。また、Osteopontin,Proteoglycan/Versican等腫瘍細胞の転移・浸潤や高カルシウム血症に関与することが推測される遺伝子が含まれていた。今後も作業を継続し、少なくとも50クローン以上のcDNA断片を得ることを目指す。 2、未知の遺伝子の全長cDNAのクローニングと構造および機能の解析: 以上の作業と並行する形で、未知のcDNA断片をプローブとして対応する全長のcDNAをクローンニングと構造解析と発現の解析を進めた。これまで3種のクローンを得て、塩基配列の決定を行い、それらにコードされる蛋白質を、in vitro translation法やTag付きの発現ベクターによるによるトランスフェクション実験等を行って確認すると同時に、培養細胞系へ導入しフォーカス形成能、シグナル伝達、細胞周期などに与える影響の解析を進めている。
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Research Products
(1 results)