1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457299
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
富田 直秀 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (50263140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 茂 NTT境界領域研究所, 主任研究員
池内 健 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (30026223)
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
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Keywords | 体内ロボット / センサー / 誘導電流 / 経皮端子 / コラーゲン / 生体材料 |
Research Abstract |
生体内に留置することによって、生体の情報を収集する装置を開発するため、1)経皮端子、2)誘導電流によるエネルギー及び情報交換、の2方向の研究を進めている。 経皮的な情報と物質の交換のためには経皮端子が必要不可欠である。現在までに、高分子表面にコラーゲンを固定化する方法とアパタイトを沈着させる方法をこころみた。コラーゲン固定化表面はラット及び成犬の皮膚を対象とした実験を行った。ラットを用いた実験ではコラーゲン固定化表面が高分子表面そのものより良好な皮膚親和性を示すことがわかったが、材料-皮膚間の接着強度は不十分であるため12週以降には剥離が生じた。また多孔質のポリエステル製人工血管のコラーゲンを固定化した試料では良好な組織侵入は認めたものの、長期間の後には材料が真皮かまたは皮膚外に排出されてしまった。皮膚自体の架橋処理を行った例では36週の安定した結果が得られたが、これでも臨床実用には不十分と思われる。 電磁波による生体内外の情報交換装置の試作を行った。現在のところひずみ情報の取り出しが可能であるが、生体内に長期に埋入するためのシールド及び電池の外部補充装置が完成していない。体内のコイルに外部コイルからの誘導電流を起こすことによって体表から体内の蓄電池にエネルギーを送り込み、体内のセンサーより対外へ電波によってデータを送る方法を検討している。また、生体内移動メカニズムの開発は主に生体機構学領域を中心に進められており、スクリューモーションによる粘膜内での移動が可能となっている。 以上の動物にあたって、動物愛護には十分配慮している。
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