1997 Fiscal Year Annual Research Report
心臓移植後に生じる動脈硬化性病変の機序の解析と抑制法の検討
Project/Area Number |
08457304
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安井 久喬 九州大学, 医学部, 教授 (20089923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 幸裕 九州大学, 医学部, 助手 (90180174)
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Keywords | サイクロフォスファマイド / 心臓移植 / 冠動脈病変 |
Research Abstract |
【目的】同種脾細胞静注2日後にCP200mg/kg腹腔内投与を行うことにより、H-2一致のマウス組合せでは混合キメラが誘導され皮膚移植片はドナー特異的に永久に生着する。今回はアロ心移植片に対しても同様に寛容状態が誘導されるのか、また長期にわたり生着している心移植片の閉塞性冠動脈病変の発生の有無について解析を行った。【方法】AKR(H-2^k;Thy1.1,Mls-1^a)マウスをdonorにC3H(H-2^k;Thy1.2,Mls-1^b)マウスをrecipientに用いた。AKR脾細胞1×10^8個をday0にi.v.後,Day2にCP200或いは100mg/kgを投与した。Day15日から28日の間に頚部異所性心移植を行い、移植心の拒絶は心拍動の停止により判定した。Flow Cytometryを用いて、キメリズムとclonal destructionの有無を観察した。また長期にわたり生着している心移植片の病理学的な解析(内膜肥厚)を行った。【結果及び考察】ドナー皮膚片の永久生着には本誘導系の機序であるDestructionと混合キメラ状態の誘導が必要(CP200mg/kg)であるが、ドナー心移植片の永久生着にはDestructionのみ(CP100mg/kg)で十分であった。CP100及び200群共に心移植片の閉塞性冠動脈病変は生じなかった。
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